「そろそろBDレコーダーを買い換えたい」という人のために、レコーダーの最新トレンドを紹介。今回は、東芝の最新BDレコーダー「DBR-UT209」(2TB)をピックアップ。録る・見る・残すを快適にする「時短」機能を取り上げます。シャープソニーパナソニックの最新BDレコーダーも合わせてご覧ください。

  • BDレコーダー4社製品

    BDレコーダー2019年モデル4台の「便利な録画機能」に注目

年末年始や連休などのまとまった休みは、外に出かけるのもいいけれど、自宅でテレビで見ながらゆっくり過ごしたいものです。テレビドラマやアニメの新番組が始まるタイミングでBDレコーダーの買い換えを検討している人も多いはず。見たい番組を録り逃さないためにも、メーカーや製品ごとの特徴をしっかり把握して最適な1台を選びたいところ。

  • BDレコーダー4社製品

気になるドラマや興味のある番組を録ったはいいけれど、日々仕事や家事に追われる人にとって、テレビにかけられる時間は限られています。手軽に録画予約できて録り逃しがなくなっても、録った番組を見なければ意味がありません。

レコーダーの大きな役割は、リアルタイムで見られない番組を別の日時に見られるようにする「タイムシフト」です。時間を効率的に使うための存在として、よりわかりやすい「時短」機能を備えているのが、東芝のレグザブルーレイ。「録る・見る・残す」が効率よくはかどる機能を充実させ、ちょっとマニアックな機能も載せた「DBR-UT209」(11月発売)の使い勝手を試しました。

  • DBR-UT209

    「時短」機能を充実させた、東芝のBDレコーダー「DBR-UT209」

  • DBR-UT209

    DBR-UT209のリモコン

録る・見る・残すを効率よく、「時短」レグザブルーレイ

東芝は、録画番組の時間を短縮しながら楽しむ「時短」をコンセプトに掲げたレグザブルーレイを2016年から発売しています。「DBR-UT209」は、時短再生や、好みのカテゴリーを選ぶだけで見たい番組が録れる「おまかせ自動録画」を引き継ぎながら、さらに様々な機能を強化した最新モデルです。

  • DBR-UT209

    DBR-UT209のメニュー画面

  • DBR-UT209

    好みのカテゴリーを選ぶだけで見たい番組が録れる「おまかせ自動録画」機能

  • DBR-UT209

    レグザブルーレイならではの「時短再生」機能

スマートフォンアプリ「スマホdeレグザ」(iOS/Android用)には、新たに音声操作機能を搭載。DBR-UT209を連携させて、キッチンで料理中など手がふさがっているシチュエーションでも、録画番組の再生をはじめとする様々な操作を声だけで行えるようになりました。

また、レグザブルーレイシリーズで初めて4K Ultra HD Blu-rayディスク(UHD BD)再生に対応。4Kレグザテレビと組み合わせたときの表示画質も強化されています。

  • DBR-UT209

    スマホアプリ「スマホdeレグザ」とDBR-UT209を連携させて、音声操作できるようになった

  • DBR-UT209

    レグザブルーレイシリーズで初めて4K Ultra HD Blu-rayディスク(UHD BD)再生に対応

DBR-UT209(2TB)の実売価格は、掲載時点(12月12日)で税込80,000円前後。内蔵HDDの容量が異なる、3TB「DBR-UT309」(税込93,000前後)や、1TB「DBR-UT109」(税込69,000円前後)もラインナップしています。

DBR-UT209を含む2019年発売のレグザブルーレイ「UT9シリーズ」は、地上/BS/110度CSデジタルチューナー×3を搭載し、3番組の同時録画に対応していますが、BS 4K/110度CS 4Kチューナーは搭載していません。

新4K衛星放送に対応しているレコーダーの場合、放送受信に必要なACASチップを内蔵しているので、設置時にB-CASカードを挿す必要はありません。UT9シリーズは新4K放送には対応しないので、従来機種と同じようにmini B-CASカードを前面に差し込んで使います。

なお、新4K衛星放送に対応した東芝レコーダーを買いたい人には、「レグザハードディスクレコーダー D-4KWH209」という選択肢が用意されています(BDドライブは非搭載)。

  • DBR-UT209

    DBR-UT209の前面には、mini B-CASカードを差し込むスロット(中央)がある。USBメモリ用端子(左)とSDカードスロット(右)も備えている

レグザブルーレイでは、「時短」機能を以下の5つにまとめています。

  • 時短で録る:おまかせ自動録画
  • 時短で見る:らく見/らく早見/飛ばし見
  • 時短で探す:人物リスト検索
  • 時短で残す:おまかせダビング
  • スマホでも時短:どこでも時短

時短録画機能の「おまかせ自動録画」は、あらかじめドラマやアニメ、スポーツといったカテゴリーの中から最大8つを選んで設定しておくと、該当する番組を自動で録ってくれる機能です。選んだカテゴリーごとにレコーダーに保存する期間や、対象となる番組の長さ、録画する時間帯などを設定できます。フォルダ分けも可能なので、たとえば家族でレコーダーを利用する場合に「お父さん」「お母さん」「私」といったフォルダで録画番組を自動で振り分けられます。

番組表から見たい番組を選ぶといった通常の録画予約方法も、もちろん用意されています。

  • DBR-UT209

    DBR-UT309の番組表

  • DBR-UT209

    おまかせ自動録画の設定画面

おまかせ自動録画は、設定したリストの順番で録画の優先順位が決まります。DBR-UT209はトリプルチューナー機なので、録画時間帯が被っても3番組まで同時録画でき、HDD容量さえ空いていれば録り逃しの心配はしなくてよさそうです。

  • DBR-UT209

    DBR-UT209の録画リスト

時短再生機能はリモコンの「時短」ボタンから一発で呼び出せます。また、DBR-UT209の初期設定時に、番組を効率よく再生するための再生コース「らく見」(レコーダーがチャプターを自動選択して再生するコース)に設定しておくと、番組本編とCM枠がチャプターで区切られ、デフォルトで自動スキップ再生ができるようになります。

  • DBR-UT209

    初期設定時に、番組を効率よく再生するための「らく見」に設定

  • DBR-UT209

    リモコンの「時短」ボタン

通常再生(等倍)もできますが、上記の「らく見」のほかにも、らく見動作に加えて1.3倍再生する「らく早見」、らく見を20分割して15秒間再生し、次々とスキップ再生する「飛ばし見」が用意されています。この4つのコースのうち、「らく見」と「らく早見」では、番組の内容を省略せずに時短再生を実現。「飛ばし見」はその名の通りのスキップ再生なので、ドラマのストーリーなどはほぼ分からなくなりますが、話の雰囲気を把握しておきたい、時間をかけずに飛ばし見しておきたい、というときには役に立つでしょう。

録画リスト画面では、4つのコースで再生したときのだいたいの再生時間をアイコン表示してくれるので、どれくらいの時短再生になるかの目安を知ることができます。例えば、今回の試用期間中に録画した金曜ロードSHOW!「ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト」は、通常再生時は見終えるのに114分(1時間54分)かかりますが、「らく見」なら97分(1時間37分)、「らく早見」なら74分(1時間14分)、「飛ばし見」ではなんと5分で見終わってしまいます。

「簡単シーンジャンプ」という面白い機能もあります。メニューから今見ている番組に関連するキーワードを表示し、気になる時事用語や出演者名を選ぶと、録画番組の字幕情報をもとに、そのキーワードが登場するシーンがリストアップされ、頭出しできるのです。好きなタレントが出演するシーンだけを追いかけるといった楽しみ方ができそうです。

  • DBR-UT209

    ユニークな「簡単シーンジャンプ」機能

スマホ連携機能も強化されています。「スマホdeレグザ」アプリは、新たに番組の出演者などの音声検索や、レコーダーの音声操作に対応。アプリ画面上部のマイクボタンをオンにして「メニュー」「切り替え」「前/次」といったワードを口にするだけで、レコーダーを操作できます。番組を見たいときは、録画リストの各番組に割り振られた数字を読み上げると、番号に対応した番組が再生されます。

  • DBR-UT209

    「スマホdeレグザ」アプリの画面(Android版)

  • DBR-UT209

    画面上部のマイクボタンをオンにすると、音声操作モードになる

もちろん、上述の「時短」再生も声だけで操作できます。スマホを自分の近くに置いておけば声だけでレコーダーを操作できるので、作業をしていて手が離せないといったシチューエーションでは重宝しそうです。

  • DBR-UT209

    時短再生を音声操作するときの画面。通常再生/らく見/らく早見/飛ばし見などの操作に数字がそれぞれ割り振られ、番号を読み上げるだけで対応した操作が行える

  • DBR-UT209

    アプリには録画予約の人気ランキングがあり、気になる番組をチェックしてスマホから予約することもできる

東芝のレコーダーは、録画番組を編集して残す機能が充実しています。たとえば、録画番組の「らく見」で再生した部分だけを手軽にBDにダビングしたり、スマホアプリに持ち出して見られるように変換・転送する機能、フォルダ一括ダビングなどが利用できます。

さらに、かつて東芝のレコーダー「RDシリーズ」に搭載されていた「プレイリスト編集」機能を進化させて復刻。サムネイルを選んでプレイリストを作成・編集し、ダビングまで一画面で快適に行える機能です。番組をそのままBDに焼くだけのざっくりした機能では物足りない、自分だけの録画ディスクをしっかり作り込みたい、というユーザー向きの機能が豊富に盛り込まれています。

  • DBR-UT209

    録画リストのサブメニューからプレイリスト作成機能を呼び出す

  • DBR-UT209

    上段の番組サムネイルから保存したい番組を選んで、下段でプレイリストを作成。ダビングを選ぶと、並べた順番に従って録画番組がBDに書き込まれる

本体背面のHDMI出力は2系統で、うち1系統は音声専用。テレビ・AVアンプと組み合わせるための映像・音声セパレート出力に対応しており、音声伝送の品質向上が期待できます。

DBR-UT209には「レグザ4K高画質リンク」という新しい機能が搭載されています。DBR-UT209を含むUT9シリーズから、4Kレグザの高画質処理に最適な映像信号を出力する機能で、既存の4Kレグザテレビを組み合わせるとUHD BDやレグザブルーレイに録画した番組を高画質で再生できる、とアピールされています。

今回は自宅の4K有機ELレグザ「X920」とDBR-UT209を組み合わせて試用しました。通常の地デジや録画番組を見ているときはフルHD画質でレコーダーから映像出力されますが、UHD BD再生に切り替えると自動で4K解像度(3,840×2,160ドット)に切り替わります。UHD BD再生時は本編メニューを操作できるようになるまで多少時間がかかることもありましたが、レグザの高画質機能のおかげで映画をキレイな画質で楽しめました。

見たいドラマやアニメ、興味のある番組を自動録画で録り逃さず、録ったら効率よく「時短」再生で消化していきたい人や、BDダビングにこだわりがある人には、東芝DBR-UT209がオススメです。

  • DBR-UT209

    DBR-UT209の背面。HDMI出力は2系統で、映像・音声セパレート出力に対応する