iPhone 8以降のiPhoneは、全モデルがワイヤレス充電に対応しています。背面のロゴ付近が接するよう充電器にiPhoneを置くだけで充電できるため、ケーブルを接続するときのイライラがありませんし、ケーブルを探すこともなくなります。慣れるとケーブルでの充電に戻れなくなるほど便利ですよ。
それでも気になるのは「充電速度」。ワイヤレスで便利だからといって、有線のときより充電に時間がかかるようでは実用的とはいえません。多少遅いにしても、どれほど遅いのか、程度を知っておきたいところです。
結論からいうと、充電速度は有線のほうが高速です。利用するケーブルと充電器/バッテリーにもよりますが、USB PD対応の充電器と「USB-C - Lightningケーブル」の組み合わせでいえば、約18ワットもの電力で充電できます。iPhone 8以降の全モデルは、USB PDによる急速充電に対応しているので、これが現行のiPhoneにおける最速の充電方法と言っていいでしょう。
一方、2019年秋時点でiPhoneが対応するワイヤレス充電(Qi規格準拠)は最大7.5ワットです。単純計算でUSB PDのときの半分以下の出力になるため、そのぶん時間がかかります。ワイヤレス充電器の中には7.5ワットに対応しない製品があり、その場合一段低いワット数(5ワットなど)で充電することになるため、より遅くなります。
ワイヤレス充電の場合、「ずれ」の問題もあります。充電が正常に行われる範囲は意外と狭く、少しずれただけで充電が停止してしまうため、iPhoneを置くときには正確に位置決めしなければなりません。着信などでバイブレーションが作動し、その振動でずれてしまい充電時間が延びることもありますから、注意しましょう。