三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングはこのほど、同社が全自動無人運転車両システム(AGT)を受注した中国マカオ特別行政区のマカオLRTについて、12月10日から営業運転を開始したと発表した。
マカオLRTは観光客のアクセスポイントとなる空港・フェリーターミナルやリゾートホテル群・住宅地を結ぶ新路線。新興リゾートホテルが立ち並び、「アジアのラスベガス」といわれるタイパ島側に全11駅9.3kmの路線として開業した。路線名に含まれる「LRT」は「Light Rail Transit」(次世代型路面電車)の略ではなく、「Light Rapid Transit」(Rapidは、迅速・急速などの意味)の略だという。
三菱重工エンジニアリングは路線の建設にあたり、AGT車両110両と信号・列車制御設備、供電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドア、料金機械を中国マカオ特別行政区政府より受注。さらに開業後5年間の車両オーバーホールメンテナンス契約も受注した。
マカオLRTに納入したAGTシステムは、電力駆動により完全自動走行する新交通システム。ゴムタイヤ方式を採用しているため、走行がなめらかで騒音も少ない。三菱重工グループのAGTシステムは、米国の5つの空港をはじめ、世界各地と国内ですでに豊富な実績があり、今回の導入によって海外14路線で営業運転することになる。