トヨタ自動車と西日本鉄道は、トヨタが開発したスマートフォン向けマルチモーダルモビリティサービス「my route(マイルート)」の本格実施を福岡市と北九州市で開始した。JR九州も新たに参画し、さらなるサービス拡充を図る。
「my route」は公共交通、自動車、自転車、徒歩などさまざまな移動手段を組み合わせてルート検索し、必要に応じて予約・決済まで行うサービス。店舗やイベントの情報提供から移動手段の検索・予約・決済まで、移動に関する一連の機能をひとつのアプリ内で完結できることから、街中における円滑な移動のサポートや街のにぎわい創出をもたらす効果が期待されている。
トヨタと西鉄が2018年11月から福岡市で「my route」の実証実験を実施したところ、実証期間の1年間で約3万件のアプリダウンロード数があり、利用後アンケートでは約8割のユーザーが「満足」と回答するなど、市場性があることがわかった。そこで、実証を行った福岡市に加えて北九州市にもサービス提供エリアを拡大し、本格実施することとした。
本格実施にともない、「TOYOTA Wallet」対応による電子決済手段の拡充や「TOYOTA SHARE」対応によるカーシェアサービスの提供、従来の日本語・英語に加えて中国語繁体字・簡体字と韓国語への対応を予定しており、利便性を大幅に向上させる。
福岡市では、これまで販売していた西鉄バス・西鉄電車のフリー乗車券に加えて、福岡市、西鉄、JR九州、昭和自動車が共同で提供する訪日外国人専用1日フリー乗車券「FUKUOKA TOURIST CITY PASS」をデジタル化し、「my route」内で販売する予定。北九州市でも、西鉄バスフリー乗車券(路線バスのみ)を販売開始し、これまでのJapanTaxiとの連携に加え、第一交通産業のタクシー配車予約サービス「モタク」との連携も始める予定としている。
新たにJR九州も参画し、インターネット列車予約サービスとの連携や、新幹線・在来線の運行情報を「my route」上で提供。さらなる「my route」との連携拡大も検討するという。