三菱電機は、2019年10月に発売されたコードレススティック掃除機「iNSTICK ZUBAQ」シリーズの新モデル「HC-JD1J」について、プレスセミナーを開催。開発者がZUBAQシリーズの特徴を解説したほか、デザインや機能面のこだわりなど、見どころ聞きどころが満載でした。
ワンアクションでスティック掃除機にもハンディにも
iNSTICK ZUBAQシリーズといえば、独特の便利機能を持ったしたコードレススティック掃除機として人気があります。特にユニークなのは、充電台からの取り外し方によって、スティック掃除機にもハンディタイプにもワンタッチで着脱できる「ワンタッチ着脱」です。
充電台からZUBAQ(掃除機)を外すときに、斜めに外すとスティック掃除機、真上に向かって外すとハンディ掃除機として取り出せます。ハンディタイプとして使うときに、ヘッド部分を本体から取り外すというステップがいらないワンアクション。また、ハンディ時にヘッド部分の置き場に困ることもありません。
エアブロー機能も特徴のひとつです。ハンドル付近にある排気口にロングノズルを装着すると、なんと空気を「吐き出す」エアブロワーとしても利用可能。玄関の砂や落ち葉などを、外に吐き出すといった掃除にとっても便利です。
引き抜くだけで髪の毛を一網打尽、新モデルの嬉しい新機能
実のところ、2019年10月に発売されたHC-JD1Jと、2018年モデルのHC-JXH30Pとでは、変更点は多くありません。HC-JD1Jで非常に便利になったのは、ブラシの「毛がらみ除去」機能です。これは、ブラシをヘッドから抜くと、自動的に回転ブラシに巻き付いた毛を除去できるという機能。従来はヘッドの回転ブラシを取り外し、さらに巻き付いた毛をハサミなどでカットする必要がありましたが、面倒なこの作業が不要に。はるかに楽です。
このほか、付属品にロングホースが追加され、エアブローで使用する付属品「ロングノズル」を吸引掃除にも利用できるようになりました。従来モデルでは、狭い場所を掃除するアクセサリーは短いサッシブラシだけでしたが、ロングノズルが使えるようになったことで、棚の間といった遠いすき間にも対応できます。
付属品に馬毛を使用、デザインにも使い勝手にも一工夫
今回のセミナーは開発者が登壇するということもあり、ZUBAQならではのこだわりについても注目していました。ZUBAQをはじめとしたiNSTICKシリーズの特徴は、「使っていないときも収納しない」コードレススティック掃除機であること。これを実現するために、開発ではさまざまな工夫をしたそうです。
充電中も部屋に出しっぱなしの掃除機であるため、デザインにも大きなこだわりがあります。たとえば、一般的なスティック掃除機は表面に化粧塗装をしますが、ZUBAQは充電時に目立つ裏側にメタリック塗装を施しています。加えて、「常に人目に触れる場所に置く」ため、家具などにぶつかりやすいヘッド部分の塗装にも工夫があります。ヘッド部分は傷が付きやすく、塗装がはげたりすると目立ちやすいですよね。
そこで、手元は一般的なメタリック塗装ですが、ヘッド部分は着色料を練り込んだ樹脂を成型して色を付けています。塗装と違って、傷が付いても色がはげず、目立たないというわけです。
もちろん見た目だけではなく、使い勝手にも配慮が。たとえば、手元重心タイプのスティック掃除機は、モーターやダストカップが延長パイプの下側に配置されていることが多いのですが、ZUBAQは掃除のときにも見やすい上側に配置されています。本体を水平にして床に置けるため、床上6cmのすき間にヘッドを入れて掃除可能。また、本体が上側にあることで使用時にダストカップが見えやすく、ダストカップへのアクセスもよくなってゴミ捨てがスムーズです。
このほか、30代~60代女性の掃除姿勢などを研究することによって、使いやすい形状に仕上げています。一例として、ZUBAQの長さは1005mmと、他社製品より少し短め。これは掃除中の負担を軽くして、小回りが利きやすい最適な長さとのことです。
今回、開発者から直接さまざまな話を聞いて個人的に一番驚いたのは、付属する毛ブラシに馬毛を採用していること。一般的な掃除機のブラシアクセサリーは安価なナイロン製ですが、三菱電機は長く使っても毛が広がりにくく、ホコリが取れやすいなどメリットが多い天然素材の「馬毛ブラシ」にこだわっているそう。この一例だけでも、いかに三菱電機が細かな点まで考えて掃除機を開発しているかがわかります。