JR東日本が東京駅丸の内地下南口にオープンしたシェアオフィス「STATION DESK 東京丸の内」。駅ナカシェアオフィス事業「STATION WORK」の一環で設置され、鉄道事業者の直営によるシェアオフィスとしては初の施設だという。
「STATION DESK 東京丸の内」は東京駅丸の内地下南改札を出て徒歩1分の位置にあり、「STATION WORK」の個人会員・法人会員のみ利用可能となっている。完全予約制のため、専用ウェブサイトから事前に予約する必要があり、予約の際に発行されるQRコードを入口で認証して入室する。決済方法に関して、個人会員はクレジットカードのみ、法人会員は後日まとめて支払う形となる。
料金は当面、キャンペーン料金として15分150円。キャンペーン終了後は15分250円に。Wi-Fiと電源は全席に用意されている。
「STATION WORK」事業ではタイプの異なるシェアオフィスを展開予定としており、すでに東京駅、新宿駅、池袋駅、立川駅にボックス型のシェアオフィス「STATION BOOTH」が設置されている。「STATION BOOTH」は1ボックスにつき1人の利用に対し、「STATION DESK」は同じ室内に16人まで同時に利用できる点が特徴。オープンに先立ち行われた内覧会にて、施設の概要説明を行ったJR東日本事業創造本部新事業・地域活性部門課長、佐野太氏は事業に対する意気込みを「(事業のコンセプトである)『働く人の“1秒”を大切に』ということで、駅ならではのシェアオフィス事業を展開していきたい」と語った。
「STATION DESK 東京丸の内」は全16席。6タイプの座席が用意されている。入室して右奥は「SHELTER」タイプの席で、3席設置され、ハイパーテーションで仕切られている。オーソドックスな個室のため、オフィスにもよるが普段の仕事に近い空間で作業を行えるだろう。その左隣に「CAVE」タイプの席がある。「SHELTER」と似ているが、いすではなくソファとなっている点が異なる。集中できるスペースを確保しつつ、快適性も求めるなら利用してみるといいだろう。「CAVE」は1席のみ設置されている。
「CAVE」のさらに左隣に「HEAVEN」タイプの席があり、1席のみの設置。他のタイプとは異なり、施設で唯一、ポケットコイルを使用したベッドに近い形態の席となっている。足を伸ばし、リラックスした状態で作業を行えるため、「HEAVEN」の名が示す通り、極上の空間で仕事ができるに違いない。
室内の真ん中には5席用意されている。うち2席が「CAPSULE」で、コンパクトなスペースながらソファに座ってゆったりと仕事できる。残る3席は「DEN」と呼ばれるタイプで、スペースの広さは「CAPSULE」と同じだが、パーテーションに向かって座るタイプのため、他の人の目を気にせず作業に集中できるかもしれない。
入口付近と左手前は「PERCH」タイプの座席。壁に向かって座るカウンター席で、施設中最多の6席を設置した。2席は入口付近、4席は入口から見て左手前に位置する。
入口から見て左側の最奥にサポートエリアが設けられている。フリードリンクとフォンブースを備え、作業の休憩時にここでひと息つけるだけでなく、他の利用者と雑談することもできる。フォンブースは遮音性が非常に高いため、通話の際も扉を閉めれば声が漏れずに話すことが可能だという。
室内ではリラックス効果と集中力を高めるため、ボサノバのBGMが流れ、季節に応じてさまざまなアロマをたくこともできる。各席ともパーテーションで仕切られており、従来と異なるソロワークに特化したシェアオフィスといえるだろう。
11月21日にオープンした「STATION DESK 東京丸の内」は全日、7時30分から21時まで営業。6タイプある中から自分のワークスタイルに合わせて座席を選び、自分に合ったスペースで仕事を行える。佐野氏によれば、「STATION WORK」事業は今後も拡大し、2020年度までに30拠点で駅ナカシェアオフィスをオープンする予定とのこと。近い将来、通い慣れた駅にシェアオフィスが誕生する可能性もありそうだ。