漫画家・チャロスさんがTwitterで発表した短編漫画「「好き」が積もるとまじで頭おかしくなる」に注目が集まった。描かれているのは、タイトルの通り、ある男子への好意に溺れた女の子の姿。そのどこかでおかしみも覚える、めくるめく「好き」の表現などにツッコミほか様々な声があがっている。
【創作漫画】
— チャロス (@Cha_ros) November 25, 2019
「好き」が積もるとまじで頭おかしくなる。 pic.twitter.com/IgUO86lSHG
主人公の女子・松永アカリは「自分の思いを伝えないと頭がおかしくなっちゃいそう」なほど、クラスメイトの春山くんが大好き。ある日、彼女は意を決して、その思いを伝えるために、学校の屋上に春山くんを誘う。急に呼び出してどうしたんだと不思議そうに話す彼を前に、アカリはすぐに言葉が出てこない。ただ、頭の中では様々な好意を抱くポイントが浮かび上がる。イケメンで、ショートヘアが似合い、良い匂いで、よく通る低くて甘い声。
毎朝、笑顔で挨拶してくれること、落ちた消しゴムも躊躇なく拾ってくれところも良い。そんな優しくたくましい彼に育ててくれた、春山くんの両親にさえ、敬意の念が出てくる。それらを考えるだけで、アカリの気持ちは「やばいやばい、早く好きすぎるこの思いを口にしなきゃ!!」と湯沸かし器のようにポーッと吹き上がる。そこでチラ…と覗き見。
改めて見ても、春山くんの制服、バッグ、足も好きだ。彼に踏まれている地面ですら愛おしい。左利きなところ、家庭科が得意なところ、『ショーシャンクの空に』が好きなところ、本当の血液型はO型なのにB型だと主張する謎な部分…と、まだまだ出てくる。最早、挙げだすと尽きることはない。休みの日は必ずボーダーの服を着ていること、リズム感が絶望的にないところ、咀嚼音、ヒゲの剃り残し…。提示し出すと、とどまることを知らない。ついでに、「刺身の中では中トロが好き」だ。
「ジブリの作品だと何が好き?」という疑問もある。他にも、満開の桜を見ると思わず涙を流すところも「尊いマジで」。コマの間は文字で埋め尽くされ、"スキ"という字が浮かび上がる。兎にも角にも、どんな言葉をもってしてでも、その溢れる思いを彼に伝えなければならない。そして、やっと出たセリフは「私…春山くんが吸う酸素が好きなの!!」。結果は、「速攻フラれた」…。
リプライには、「よく見ると…いや、よく見なくても、好きの対象が春山くんじゃなくて酸素」「そこが溢れたかー…」「主語が違うんだよなぁ」「思い溢れすぎて、セリフがあれになってしまったか」と様々なツッコミが。また「3ページ目文字の多いコマ。どでかいスキが隠れ(?)てる‼ そんな細かい芸当がスキ」「ほぼほぼニコ動」(ニコニコ動画)「ウルトラネオグレイトフルデッドラブすこ」「刺身の中だと中トロが好きw」と3ページ目の最後のコマに対する指摘が多く集まった。中には「わかりみが深すぎて好き」という共感の声もあがっている。
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この短編の作者・チャロスさんは、新潮社による漫画サイト「くらげバンチ」で9月から」10月にかけて、シリーズ作品『つんつん』を短期連載していた漫画家。また、TwitterやInstagramといったSNSでも様々な作品を投稿している。今作については、「ギャグ漫画として描きましたw でも、好きすぎておかしな事口にしちゃうって、やっぱり愛らしいですよね」と話し、こだわりのポイントとして、やはり3ページ目の文字で埋め尽くされたコマを黒ぬきで「スキ」と描いた点を挙げている。