米Qualcommは12月5日 (米国時間)、5Gに対応するXR (extended reality)プラットフォーム「Snapdragon XR2」を発表した。XRは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR (複合現実)といった現実世界と仮想世界が相互作用する環境を指す。
昨年5月に発表した「Snapdragon XR1」のSnapdragon 835 Mobile XRと比べて、XR2はCPUとGPUの処理性能が2倍に向上、AI処理性能も最大11倍となる。
XRプラットフォームとして初めて7台のカメラを同時に駆動でき、それらを駆使することで、ユーザーのくちびるや目、頭の動きや傾きなどを高精度にトラッキングできる。オーディオ面でも、消費電力がわずかなHexagon DSPが音声アクティベーションやコンテキスト検出といったハードウェア機能をサポートする。他にも、低遅延のカメラ・パススルーで仮想と現実がシームレスに融合した環境を実現。コンピュータービジョン専用のプロセッサを備えており、環境認識や3D再構築を効率よく処理できる。ディスプレイの解像度は6倍。90fpsで片目3Kのディスプレイパネルをサポートし、60fpsで8K 360度の動画再生に対応する。
Qualcommは、XR、AIと5Gの組み合わせが「コミュニケーションとコンピューティングの未来を形作る」としている。強化されたAI機能を活用することで、Snapdragon XR2ではビジュアルからインタラクション、オーディオまで様々な機能が向上し、よりスマートで没入感のあるXRを体験できる。高速で低遅延な5G通信によってデバイスとエッジクラウドに処理が分担され、ユーザーはフォトリアリスティックで高品質なXRをケーブルに制限されることなく体験できるようになる。
拡張現実に関して、「Ingress」や「Pokémon GO」などを開発・提供するNianticと複数年規模のコラボレーションを行う計画も明らかにした。詳細は不明だが、地球規模の拡張現実プラットフォームの開発を進めるNianticと、ARメガネのリファレンスハードウェア、ソフトウェア、クラウドを統合した環境作りで協力する。