声優ヴォーカルユニット「Kleissis(クレイ・シス)」のライブイベント「Kleissis 1st LIVE~volare(ヴォラーレ)~」が7月20日、東京・原宿クエストホールにて開催された。同日2公演行われたうち、第1部の模様をお伝えする。
昨年7月にお披露目会が行われてから1年、待望の1stライブ開催となった声優ヴォーカルユニット「Kleissis(クレイ・シス)」。彼女たちは7月30日リリースのスマートフォン向けゲームアプリ『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』(以下、『アルカ・ラスト』)の世界観から誕生したユニットであり、ゲーム内にも歌姫・Kleissisとして登場する。
メンバーは、田中有紀さん(カスミ役)、富田美憂さん(アキラ役)、山田麻莉奈さん(サユキ役)、髙橋麻里さん(ユン役)、山根綺さん(ヒロナ役)、元吉有希子さん(ミオ役)、金子有希さん(ミウ役)の7人。ユニット結成して丸1年の成長と『アルカ・ラスト』の世界観をステージで存分に発揮し、完成度の高いステージで集まったファンを魅了した。
■朗読とライブで『アルカ・ラスト』の世界観を重層的に表現
時間となり、会場にはカスミによるモノローグが流れる。そして、楽曲披露の前に行われたのは黒のローブをまとった7人による生朗読だ。そこでは『アルカ・ラスト』の重厚な世界観や、この世界におけるKleissisの役割が語られる。世界の創造と破壊の橋渡し。終焉が近づいた世界に破壊者を歌で呼び、世界の終わりに実る『世界の果実』を「破壊者」から受け取り再び創造者に渡すこと――それが歌姫である彼女たちの使命なのだという。
朗読という形で世界観を伝えた後は、作品のために作られた数々の楽曲をすべて披露していった。まずは、Kleissisの象徴ともいえるデビュー曲「Kleissis Chaos」。気持ちの入った歌声は力強く、ダンスも力強さがありデビューして1年での成長度には驚かされる。個々の魅力とそれが合わさった多重の魅力で会場を包み込み、ラストのハーモニーも幻想的な響きだ。
そのまま「決断のDivergence」。この曲は『アルカ・ラスト』の世界5(東方編)イメージソングであり、アキラ(CV.富田美憂)の世界となる。背後からのライティングも格好良く、それぞれが色の違う格好良さをみせていく7人。特定の誰かが突き抜けるのではなく、全員のクオリティや力強さがアップしていたからこその没入感も感じられた。
曲後のMCでは、初のワンマンライブを迎えられて嬉しそうに挨拶するメンバー。歌ではなく朗読という形で世界観やキャラクターを表現できたことも嬉しかったと顔をほころばせる。さらに、純白をベースにテーマカラーを施した新衣装をアピール。実は黒と赤のコントラストの衣装も候補にあったそうだが、やはり白はKleissisらしいと話していた。
そんなKleissisらしさは、続くライブステージでも遺憾なく発揮。3曲目は『アルカ・ラスト』のオープニングテーマ「Ark of promise」。荒涼感のあるイントロから、世界の広がりを感じさせるようなちょっと切ない調べが紡がれる。情感たっぷりの歌い方も世界観を表現していった。
さらに、サユキ(CV. 山田麻莉奈)の世界1(黄昏編)イメージソング「贖いのアリア」を、アンニュイな表情と心の動きを表現した歌声でしっとりと歌い上げる。『純白に導かれて』という歌詞もKleissisのイメージと相まって印象的だった。
■ダンスも見どころの新曲を初披露
「逆さまの世界にて」はミウ(CV.金子有希)とミオ(CV.元吉有希子)の世界である、世界3(凍土編)と世界4(灼熱編)のイメージソング。初めて聴いた時には「逆さま」の意味すらわからなかったが、世界観が明かされるにつれてより深みが増し、それに伴いメンバーの力強さとハーモニーの美しさ際立ってきたのがステージから伝わってくる。
ショートMCを挟み、次はヒロナ(CV.山根綺)の世界6(降灰編)イメージソング「囚われのChiral」を初披露。和を感じさせる旋律から、一気に盛り上がりをみせて情熱溢れるステージを展開する。胸踊らせる伴奏に負けない歌声は感動も生む。Kleissis史上で一番踊っているというダンスも見どころだ。
続く「Into the Abyss」は、作品のバトルBGMをKleissisバージョンとしてアレンジした楽曲。ハイスピードなナンバーでテンションを上げていき、サビでは一段と熱く燃え上がる。魂を込めて高らかに突き上げる声も激アツだった。
「まだまだ盛り上がれますか!」と叫んで、ライブはラストスパートへ。2ndシングル「Another Sky Resonance」は『アルカ・ラスト』世界2(漆黒編)イメージソング。カスミ(CV.田中有紀)の世界だ。鋭さのある声やキレキレのダンスで魅了していくメンバーだが、実は金子さんはオーディション時に「世界観重視なのであまり踊らないと思います」と言われたという。今では、その言葉が何だったのかというぐらいダンスのパフォーマンスもレベルが高く、目を奪われる。
そして、本編ラストは『アルカ・ラスト』エンディング曲「さよならの彼方へ」。暖かいライトに照らされながら、みんなと幸せな未来へ進みたいという思いを歌に込めるメンバー。お互いに顔を見合わせて優しい微笑みを浮かべたり、手を握るシーンも印象的で、ラストは未来を見つめるように目線を上げていた。
アンコールを求める手拍子と掛け声が会場に響く。1年間の活動を振り返るムービーから、各自でアレンジを加えたライブTシャツに着替えた7人が再登場。ニューアルバムや新曲の配信についても告知があり、先ほど披露した「Into the Abyss」はMVも撮影したので楽しみにして欲しいと語っていた。
そして、メンバー1人ずつから挨拶。実際のステージで強く感じられたことだが、この1年で成長したのは自分自身でも感じているという。田中さんは今後に向けて「まだ足りないところや頑張らなきゃいけないところはあると思うんですけど、もっと上(のステージ)に輝きにいくので。絶対につれていくから、見守ってくれていると嬉しいです!」と意気込んでいた。
そのまま曲を歌わずに帰ろうとする渾身のボケをみせた田中さんだったが、それを敢えてスルーして笑いをとるメンバー。ある意味、仲が良いからこその微笑ましい瞬間だった。そんな7人が最後に笑顔で「Kleissis Chaos」を歌い、記念すべき1stライブの第1部を締めくくった。
●セットリスト
M1. Kleissis Chaos
M2. 決断のDivergence(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』世界5(東方編)イメージソング
M3. Ark of promise(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』オープニングテーマ)
M4. 贖いのアリア(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』世界1(黄昏編)イメージソング)
M5. 逆さまの世界にて(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』世界3(凍土編)、世界4(灼熱編)イメージソング)
M6. 囚われのChiral(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』世界6(降灰編)イメージソング)
M7. Into the Abyss(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』バトルBGM Kleissis ver.)
M8. Another Sky Resonance(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』世界2(漆黒編)イメージソング)
M9. さよならの彼方へ(『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』エンディング曲)
<ENCORE>
EN1. Kleissis Chaos