ローソンストア100では、今年も「100円おせち」の販売を12月25日より開始する。令和初の100円おせちには、史上最多の32種類を用意。定番から高級食材まで取り揃え、多様化するニーズに対応する。
時代のニーズにマッチ
ローソンストア100が「100円おせち」の取り扱いをスタートして10年あまり。当初は単身層、シニア層の需要に応えるカタチで市場が拡大したが、品揃えが増えると主婦など女性層の心もつかみ、華やかな盛りつけ例を紹介するようになってから若年層にもウケているという。
「2018年度の販売数は、過去最高の約115万個に達しました。おせちは作る時代から買う時代へ、そんな時代のニーズとマッチしています」と説明するのは、ローソンストア100の近藤正己氏。
世帯の少人数化が進んでおり、ひとり暮らし世帯が増加している。ローソンストア100でも、そんな社会背景を踏まえて商品開発を進めてきた。
「好きなものだけ欲しい、一日で食べ切れる量だけで良いなど、おせちに対するニーズも変化しています。今年は消費増税により、節約志向が高まるため、例年以上に家庭で食べるケースが増えるのではないでしょうか」(近藤氏)。そこで今年は「豚の旨煮」「お煮しめ」「海鮮サラダ」「くるみ甘露煮」の4品目を追加した32種類の100円おせちを揃え、全国のローソンストア100で12月25日より一斉発売する。
気になる安い理由
「100円で購入できるのは嬉しいが、なぜ安いのか気になる」という方も多いことだろう。品目ごとに、コストカットの秘訣があるようだ。その一例が紹介された。
例えば「伊達巻」は秋冬にシーズンオフとなるちりめんじゃこの工場で製造、「栗きんとん」「栗の甘露煮」などは春夏にゼリーを製造している工場で製造している。いずれもオフシーズンの工場をフル活用することで、品質の高いものをコスパよく作っているようだ。
「豚の旨煮」「お煮しめ」「海鮮サラダ」は製造、包装、在庫、物流などを一カ所の工場に集約してコストダウンを実現。パッケージを統一し、ラベルのシールを貼り替えるだけで対応するといった工夫も行っている。
「くるみ甘露煮」「田作り」「えび甘露煮」「わかさぎ」などは不揃いな形やサイズを選別せずに商品化。さらに容器を統一することでコストダウンした。大正時代から続く老舗のメーカーで製造しているので、もちろん味は保証付き。
「御蒲鉾 赤板・白板」は、毎年20万本以上を販売している定番商品。そこで大量発注・大量販売をして100円を実現した。「味付け数の子」はニシンが高いのがネックだった。そこで1年以上前から原材料となるニシンの卵を確保。さらに回転寿司のネタのカット工場を活用することで「メーカーも我々もお互いにウィンウィンの関係でコストダウンを実現しました。非常に高品質な商品になっていますので、食感と味を楽しんでいただければ」(近藤氏)とのこと。
「マイおせち」を作るのも楽しい
ある程度は手作りして、足りない品目を買い足すという利用方法もあり、あるいは欲しいものだけを購入して「マイおせち」を完成させるという利用方法もあり。これだけのラインナップがあるので、自由にカスタマイズするのが楽しくなる。
なおこの日、報道陣には料理研究家の小林睦美氏による「盛り付け例」が公開されたのでいくつか紹介していこう。
筆者も100円おせちを試食した。なるべく多くの種類を口にしたが、そのどれもが感心する美味しさ。お煮しめは実家の味を思い出した。鰊昆布巻も味がしみている。豚の旨煮は思わず白飯が欲しくなってしまう。くるみ甘露煮、つぶつぶ栗きんとんは、おせち以外のシーズンでも食べたい。実際の店舗では、100円と思って、ついつい買いすぎてしまいそうだ。
例年、早めに購入する人が増えているという、ローソン100の100円おせち。発売日の25日から26日が販売のピークで、数量限定のため30日ともなれば(一部の店舗では)モノが無くなっている可能性もあるという。今シーズンの販売目標は約138万個(昨対比120%)を見込んでいる。