ANAセールスは12月3日、誕生1周年を迎えた「ANAトラベラーズ」において、業界初となる新商品やサービスを発表。具体例として3つのサービスの内容を紹介した。会場には女優の綾瀬はるかさんも登場し、スキルシェアの実演として、広島弁で観光案内を行った。
期待を超える旅体験をお客様1人ひとりと紡ぐ
ANAセールスは昨年11月、国内・海外ツアー商品や各種サービスなどを総称したANAの旅ブランド「ANAトラベラーズ」を立ち上げた。ブランドコンセプトは「期待を超える旅体験をお客様1人ひとりと紡ぐ」。同ブランド誕生1周年に合わせ、このビジョンを実現するための5つのテーマが挙げられた。「多彩なニーズに応える商品・サービス」「一人ひとりに合ったWebサービス」「お客様に寄り添うカスタマーサポート」「ANAのマイルが貯まる・使える商品サービス」「ANAグループの安心と信頼」だ。
代表取締役社長の宮川純一郎氏は「これまで培ってまいりました安心と信頼の品質にさらに磨きをかけ、ANAグループの旅行会社として、お客様のご旅行前、ご旅行中、そしてご旅行後にいたる旅のすべてのシーンにおきまして安心で快適なサポートを行ってまいりますので、どうかご期待ください」と挨拶した。
いままでの旅とはひと味違うイノベーションを
続いて登壇したANAセールス 旅行戦略部長・田部敏之氏は「旅行業界におきましてもデジタルトランスフォーメーションが始まっておりまして、新しいプレーヤーが旅行業界に新しい価値をどんどん吹き込んでいるという状況です。今回ANAトラベラーズという形でブランドを統一するにあたり、新しい商品を再設計したいと考えました」と説明。
新商品の3つの柱として「DBM (データベースマーケティング) によるお客様ニーズの把握」「多様なニーズに合わせた旅行商品・サービスの拡充」「One to Oneコミュニケーションによるお客様への情報提供」を挙げた。
これまで多数の旅行商品を提供してきたANAセールスだが、顧客にはさまざまなニーズがあり、まだまだ対応しきれていない状況だという。このようなニーズを踏まえ、ANAトラベラーズでは新たに14の新サービスを提供。田部氏は「いままでの旅とはひと味違うイノベーションを起こしていきたい」と語り、そのうち3つのサービスについて説明を進めた。
「ダイナミックプライシング型旅行商品」リニューアル
1つ目に紹介されたサービスは「ダイナミックプライシング型旅行商品」のリニューアル。これは、現在ANAのWebサイトで販売している価格変動型のパッケージツアー商品を進化させ、これまで価格固定型しか扱っていなかった旅行会社の店頭でも購入できるようにするもの。
「355日前から購入可能」「需要に応じて航空運賃が変わるため、低需要期はよりお得」「席が取れない高需要期(ピーク期)も最後の1席まで利用できる」「店頭でも出発前日まで購入できる」の4点を大きな特長とする。
ネット宅配レンタル「ANA手ぶら旅行サービス」
2つ目は旅行に関する様々なアイテムをネットで予約し、宿泊先でレンタルできる「ANA手ぶら旅行サービス」。旅先で荷物がかさばるという顧客の悩みに対応したもので、旅先に合わせてプロスタイリストがコーディネートする服や靴、美容家電やデジタルカメラなどを提供。受け取りと返却が宿泊先のホテルで行えるため、気軽に出立し帰宅できる。
このサービスは富士通のシェアリングサービス「Dassen boutique」(ダッセンブティック)を基盤としており、宅配クリーニング「リナビス」を提供する東田ドライ、服や靴を提供するバーニーズ ジャパン、デジタルカメラを提供するキヤノンマーケティングジャパン、ヘアケア商品「クレイツイオン」を提供するクレイツが協業を発表。今後もアイテムやサービスを拡充していく予定だという。
シェアリングエコノミー「ANAシェア旅」
3つ目はシェアリングエコノミーを使った。昨年9月、ANAセールスはシェアリングサービスを提供する10社と提携し「ANAシェア旅」というWebサイトを開設。サービス利用者に、利用することで各種クーポン割引や利用した額に応じたマイルが貯まるというメリットを提供していた。
今回、このシェアリングエコノミーをより拡大するため、新たに提供者(ホスト)側にメリットを追加。これまでの「謝礼」に加え、「ANA旅行券」が渡されるようになる。適用されるサービスの具体例としては、街歩きガイドや趣味をテーマにしたイベントを開催する「TABICA」、旅行者の愛犬を預かる「DogHuggy」、農家をお手伝いする「シェアグリ」などが紹介された。
綾瀬はるかが広島弁で観光案内にチャレンジ
さらに会場には、ANAトラベラーズの特別CEOに就任した、女優の綾瀬はるかさんが登場。CEOといっても最高経営責任者ではなく、最高の旅体験を届ける責任者“チーフ・エクスペリエンス・オフィサー”だ。
綾瀬さんはまず、ネット宅配レンタルの革新的な新サービスとして「ANA手ぶら旅行サービス」について解説。「洋服の組み合わせを考える必要もないですし、旅先のおしゃれなレストランにも行けたりしますね。防寒対策もできますし、ジャケットを持って行かれる方は“しわ”が気になると思うんですけど、そういうところでもこのサービスが役立つと思います」と利用シーンを紹介した。
綾瀬さんも「季節はもちろん、その土地の気候だったり旅先の雰囲気によって、どんな服を着ようかと結構悩んでしまいますね」と自身の悩みを話し、そのうえで「もちろん準備が楽というのはあると思いますし、旅行から帰ったときに、よりなにもしなくてもよいぶん、旅の余韻にひたれることもあるのかなと思います」と、ANA手ぶら旅行サービスの魅力を語った。
続いて、お得に旅ができるシェアリングエコノミー「ANAシェア旅」を紹介。自分の得意なスキルをシェアすることでANA旅行券が貰え、旅行や旅行券の支払いに利用できると説明する。例えば観光案内を行った場合は5,000円分、ペットを預かったときは6,000円分のANA旅行券が初回に限り追加で貰えるという。
司会者に「綾瀬さんならどんなスキルをシェアしてみたいですか?」と聞かれると、綾瀬さんは「私は広島出身なので、お手本として少し広島案内をやってみます」とスキルを披露。
「広島といえばやっぱりカキですけど、カキ小屋でプリップリなカキを食べてほしいです。お好み焼きも絶品ですし、いまはカキやホタテなどが入ったお好み焼きもあります。広島出身のおススメといえば、肉玉そば、イカ天、……、です!」と広島のウマいものを紹介した後、「厳島神社も有名なので、潮が満ちたときに鳥居が浮かんでいるように見える幻想的な風景も、ぜひ見ていただきたいなと思います」と世界遺産を案内。
最後に「そんな感じじゃけん、みなさん、広島遊びに来んさい!」とキュートな広島弁でアピールした。
綾瀬さんは最後に「特別CEOとして、みなさんに少しでも旅の魅力を伝えていけたら。みなさんもぜひANAトラベラーズで革新的な体験をしていただきたいなと思います」と挨拶し、発表会を締めくくった。
発表会で紹介された3つのサービスの他にも、ドローンを使った記念撮影サービスや、VRを使って一緒に旅行に行けない方と旅体験を共有するサービス、観光地を散策しながらなぞ解きを楽しめるサービスなど、9つの新たなサービスが展開される。さまざまなテクノロジーやアイデアから生み出されるANAトラベラーズの「期待を超える旅体験」に、引き続き注目したい。