冷凍食品コーナーの一角に並ぶ冷凍うどん。個性さまざまな商品が販売されていて、10種近くがラインナップされている店も多い。つゆや具が1つのパックに入っており、大量の湯で麺を茹でる手間もかからない手軽さが魅力。さらに、寒い時期にぴったりの温かいメニューや自宅では簡単に作れないような本格的な味わいのメニューも展開されており、ぜひうまく活用したいアイテムだ。メーカー3社が今シーズンにイチオシする商品を実食レポートする。
出汁の旨さが味わえる!テーブルマーク「讃岐麺一番 肉うどん」
まずはこちらのテーブルマーク「讃岐麺一番 肉うどん」。同社では冷凍うどんを40年以上にわたり製造。こちらの商品も改良を重ねており、ロングセラーとなっている。
調理方法は2通り。小鍋に200mlの湯を沸かし、濃縮うどんつゆを入れてつゆを作ってから、そこに凍った麺と具材を入れて温めるか、器に湯200mlと濃縮うどんつゆを入れておき、麺だけ電子レンジ(600Wで6分強)で温める方法。どちらの方法でも6分ちょっとで調理できた。
煮干しと昆布から出汁をとったうどんつゆに、甘辛く煮た牛肉を加えてある。つゆを一口飲んでみると、甘辛い肉の旨味がうどんつゆに溶け出し、コク深い味わい。思っていたより具材の量が多く感じられ、牛肉は柔らかく、玉ねぎはシャキシャキ感を残してあるので、まるでうどん屋で食べているよう。麺はもっちりと歯ごたえがあり、甘辛いつゆがしっかり絡んでおいしい。味が濃すぎないので、クセになる味わいだ。
同社マーケティング部 麺カテゴリマネージャー 高橋良輔さんは「肉うどんは、うどんの本場讃岐でもメジャーなメニューで、弊社の具つき麺の中でも一番人気です。旨味がしっかり感じられるので、男性を中心に好評です」と話す。さらに「卵黄をトッピングするとさらにまろやかになっておいしい」(高橋さん)とのこと。本来は肉をじっくりと煮込む手間がかかるメニューなので、これが手軽に食べられるのは嬉しい。満足感のある一品だった。
【テーブルマーク「讃岐麺一番 肉うどん」のポイント】
・鍋調理と電子レンジ調理どちらでもOK
・牛肉と玉ねぎの具材がたっぷりで食べごたえあり
・テーブルマークの具付き麺の中で一番人気
トロリ濃厚!日清食品冷凍「冷凍 日清のどん兵衛 牛すき釜玉うどん」
続いても牛肉がトッピングされたうどんだが、こちらは釜玉うどん。「どん兵衛」でおなじみの日清食品冷凍から、今年9月に発売された商品だ。
外袋を開けると、麺と具材が一緒になった内袋があり、そのまま電子レンジへ。600Wで4分30秒加熱して、混ぜながら皿へ盛りつけ、生卵をトッピングする。パッケージ裏面によるとかき混ぜながら食べるのがおすすめだそうだ。
立ち上る香りから思い出すのは、まさにすき焼きの〆のうどん。食べてみると、牛肉とネギが甘く煮込まれたタレと生卵が混ざって、トロリとして濃厚な味わいだ。麺はコシが強く、味がよく染みていてどんどん食が進む。まろやかでコク深い味わいがビールやチューハイとも相性が良さそう。
「発売したばかりですが好評いただいており、SNSでも話題になっています」と同社マーケティング部第2グループ 笹岡歩さん。さらに「つゆに牛肉と野菜の旨味が詰まっているので、麺を食べ終わった後、ぜひ残ったつゆにご飯を入れて“追い飯”してみていただきたいです。ご飯との相性が抜群で、ペロリと食べられます!」とのこと。電子レンジのみで調理が可能な点も評判がよく、手軽なランチとしても活用されているようだ。
【日清食品冷凍「冷凍 日清のどん兵衛 牛すき釜玉うどん」のポイント】
・電子レンジだけで調理可能
・今年9月に発売されSNSでも話題に
・生卵と甘旨い牛肉の濃厚な旨味が堪能できる
出汁のおいしさに注目!キンレイ「お水がいらない 鍋焼うどん」
冷凍うどんのラインナップが多いキンレイでは、冷凍のストレートつゆが添えられた「お水がいらない」シリーズが好評。なかでも、「鍋焼うどん」は鍋一つで簡単に本格的な鍋焼きうどんが味わえるとのことだ。
こちらの加熱方法は鍋のみ(土鍋も可)となっている。具材を上にして鍋に入れ、つゆが溶けるまで弱火、その後火力を上げて煮込む。土鍋で調理してみたところ、所要時間は10分弱だった。
パッケージにも「黄金だし」とあるので、まず出汁を一口。節や昆布で丁寧にとられた関西風の出汁がとても味わい深く、スッキリとしたおいしさ。塩分より出汁の旨味が前面に出ていて、まるでうどん専門店の味わいだ。煮込んでいるのに麺はコシがあり、つるっとのど越しがいい。具材は海老、シイタケ、肉団子や野菜などがたっぷり入っており、それぞれの風味や歯ごたえがしっかり味わえるのもうれしいポイントだ。
「出汁の香りと味わいにこだわっているので、ストレートつゆを採用しています。加熱時には8種の具材も一緒に少し煮込んでいただくと、つゆ全体に奥深さが出ておいしくなります」と同社営業本部商品企画部マネジャー 福田暢雄さん。「麺の後はご飯を入れておじやにしていただくのもおすすめです。出汁の美味しさが自慢の商品ですので、最後まで堪能してください」とのこと。これからの寒い時期には夕食にも活用できそうだ。
【キンレイ「お水がいらない 鍋焼うどん」のポイント】
・節や昆布でとられた本格的な黄金だし
・水は不要、鍋1つで調理が可能
・彩り豊かな8種の具材入り
冷凍うどん3種を試食してみて、どの商品も麺にしっかりとしたコシがあり、つゆや具材も含めておいしくできていることに感心してしまった。具材やつゆにも工夫が多く、ラインナップも豊富なので、その日の気分や体調で選んでもいいかもしれない。つゆを最後まで飲み干したくなるようなおいしさで、身も心も温まりそうだ。
※価格は編集部調べ
※パッケージ裏面にある調理方法に沿って調理