12月に入り、世間はクリスマスや年末の準備であわただしくなってきたが、実はこの時期、我々はサイバー犯罪の被害にあわないよう普段以上に注意深く過ごさなければならないようだ。米マカフィーが発表した最新のセキュリティ調査結果「クリスマスキャロル:詐欺版」は、クリスマスに活性化するサイバー犯罪の実情を報告している。
米国で行われたこの調査によれば、クリスマスに関連した詐欺により、調査の対象となった米国人の成人の41%はEメールフィッシングに、35%はテキストフィッシングの標的にされていたという。被害者の74%が100ドル以上、30%は500ドル以上を失ったとされており、金銭的損害も大きなものになっている。
マカフィーのチーフ コンシューマー セキュリティ エバンジェリストであるGary Davis氏は、「サイバー犯罪者も、ちょうどあなたの家族と同じようにクリスマスの伝統を持ち、クリスマスの買い物客を出し抜く方法を常に探している」と述べる。一方で、「オンライン行動を変えるための措置を講じる消費者は少ない」という危険性を指摘する。
ショッピングやコミュニケーション、ビジネスに、これまで以上に個人情報の共有が進む現代において、サイバー犯罪者は、一般的な消費者向けアプリまでターゲットにすることで、重要なデータを収集している。消費者がサイバー犯罪の脅威にさらされる可能性はこれまで以上に高まっているのだ。クリスマスシーズンはアカウント入力などで個人情報を外部にさらす機会が増え、しかも使う金額も大きくなる。サイバー犯罪者にはまさにチャンスなのだ。
なお同調査によれば、今年のクリスマスにサイバー犯罪者が仕掛けた詐欺の新たなトレンドは、「偽のギフトカード」だという。また、ショッピングサイトの利用に際して、消費者が十分に注意を払っていない現状にも警鐘を鳴らす。マカフィーの調査によれば、消費者の3分の1以上は、ショッピングのやり取りの際、メール送信者またはWebサイトの信頼性をチェックしていないといい、それではサイバー犯罪者の格好の標的になりかねないと指摘する。
マカフィーは、クリスマスシーズンを安全に過ごすためのポイントとして、例えば、パスワードを使い回さないなどの対策を挙げている。簡単なことかもしれないが、「たった1回のハッキングに成功するだけで、複数のアカウントへのアクセスできてしまうパスワード」をサイバー犯罪者に渡すことになりかねない。備えあれば憂いなし。しっかり準備して、楽しいクリスマスの迎えて欲しい。