フジ医療器は、音声で操作を指示できるマッサージチェア「サイバーリラックス マッサージチェア AS-880」(以下、AS-880)を発表しました。発売は12月10日で、価格はオープン、市場想定価格は398,000円前後(税別)になります。
マッサージ中のリラックスをジャマしない音声入力
フジ医療器のプレミアムマッサージチェアはリモコン操作が基本ですが、せっかくリラックスしている時間に、設定変更などでいちいちリモコンを手に取って操作するのは面倒という声もあります。そんな要望を受けて開発されたのが、今回の新モデル、AS-880です。
ソフトウェアとして、音声認識機能を搭載した「ボイスOS」を採用しました。これにより、マッサージの開始、運転コースの選択、運転終了までの操作を、声で指示できます。マッサージ中に「強く」と話せばマッサージのパワーを強くしたり、「ヒーター」と話してヒーターON/OFF切り替え、「起こす」と言えばリクライニングを起こすといった、全部で23種類の音声操作に対応しています。
AS-880を音声操作するデモ動画
マッサージも時短の時代?
フジ医療器の製品だけに、もちろんマッサージ機能にもこだわっています。実のところ、本格マッサージチェアでも多くの製品は、「揉みメカ」と呼ばれる揉み玉が付いたユニットを背中まわりに1つしか搭載していません。おしりや脚のマッサージは、エアーバッグで行っています。
AS-880はなんと、3つの揉みメカユニットを搭載しています。首から腰をケアする「つかみほぐしメカカスタム」、おしりからもも裏をケアする「座面ほぐしメカ」、脚専用の「脚ほぐしメカ カスタム」の3つ。
この3つのメカユニットが同時に動くことによって、短い時間でもしっかりと全身をほぐし、短時間で効率よいマッサージができるわけです。とくに、メインとなる「つかみほぐしメカカスタム」はさまざまな動きをするだけではなく、肩で7段階、背中で3段階、腰で7段階という強弱調整を備えています。自分好みにきめ細かく強さを調整したマッサージは、気持ちいいものです。
さらに、肩部、腕と手、腰の横部にそれぞれ2個ずつ合計6つのエアーバッグも搭載しています。実際に「全身疲労回復コース」を体験したところ、メカによるグイグイとつかみ揉みする感覚と、エアーバッグでググーッと圧迫されたあとに解放される複数の「揉み感」が渾然一体となり、とにかく気持ちいい印象。
筆者が個人的に一番気に入ったのは、脚部のマッサージ。ふくらはぎから脚先までを揉み板がグイグイと揉み上げると同時に、足裏を回転ローラーでマッサージ。さらに、足裏を突起のようなものが振動しながら刺激してくれます。複数の刺激を受けて、疲れた脚があっという間にほぐれてくれました。また、足裏と背にはヒーターが搭載されているので、末端冷え性で足先が冷えやすい筆者でも、15分のマッサージが終わると手先から足先までポカポカと暖まっているのもうれしい効果でした。
最近は、シンプルでコンパクト、比較的リーズナブルなマッサージチェアも増えていますが、AS-880のようなハイエンドモデル(30万円以上の製品)を体験すると、マッサージ性能の違いがよくわかります。
まず感じるのは、揉みほぐして欲しい位置がほとんどズレないこと。AS-880などのハイエンドモデルは、最初に肩の位置を自動で検出し、そこから背や腰の位置を自動予測するので、揉みほぐして欲しい場所を的確にとらえてくれるのです。
「本格マッサージチェアは場所を取る」という声も聞かれますが、実際に体験してみるとその大きさにも意味があることを実感できます。身体を包み込むような形と、肩や腰の横にあるエアバッグによって全身を保持することで、揉み玉でパワフルにマッサージされても身体が動いたり位置がズレたりしません。これにより、しっかり最後まで狙った位置を揉みほぐせて、身体が動いて揉む力が分散することもありませんでした。
フジ医療器によると、マッサージチェアの販売台数はスタンダードタイプ(30万円以下)よりもハイエンドタイプ(30万円以上)のほうが多く、この数年はハイエンドタイプのシェアはどんどん増えているそうです。筆者も実際にAS-880を試して、ハイエンドならではの気持ちよさにブツ欲をかなり刺激されてしまいました。