“身近な価値や魅力を発見し、それらを形にして伝えられるクリエイター”の創出を目指す「Rethink Creator Project」。同プロジェクトは11月28日、年3回行われているコンテストから最優秀作品を選出する「Rethink Creator AWARD」を都内で開催し、2人のクリエイターを表彰した。
「Rethink Creator Project」とは?
クリエイターズマッチが主催し、日本たばこ産業(以下、JT)や28地域の自治体の協賛を受けている「Rethink Creator Project」(リシンク クリエイター プロジェクト)は、「クリエイターの地産地消 ~地元を誰かにまかせない」をテーマとして、地域の魅力を発見し発信する人材を生み出すための活動だ。
“学びの場”として全国各地で「Rethinkセミナー」を開催しするとともに、その学びを活かした“挑戦の場”として、地域の魅力を発信する「Rethink Creative Cotest」を年3回開催している。
コンテスト大きく2つに分かれている。1つは、地元の「当たり前だと思っていたこと」や「意外と知られていないこと」「ちょっと残念なこと」を、見方を変えて魅力的に伝える「Rethink Creator 賞」。もう1つは、JTが喫煙者と非喫煙者の心地よい共生を目指して取り組んでいる「JT Rethink Project」によって生み出されるちょっとした未来を、クリエイター自身の切り口で表現する「JT Rethink 賞」だ。
リシンククリエイタープロジェクトのリーダーを務めるクリエイターズマッチの羽室氏は「今日は、たくさんの地域からクリエーターの方やクリエイトに興味がある方が集まっています。この会を通して、他の地域の似たような志の方とつながるきっかけになったらと思っております」と開会のあいさつを行った。
JTの佐藤氏は、「これまでJTはマナーの啓発や分煙の推進という、たばこの外側からのアプローチを行ってきました。その中で、“たばこ自体を見直したら世の中を変えることになるかもしれない”ということで生み出した商品が「プルームテック」です。そして、たばこを吸われない方も視野に入れて活動していこうというのが我々の「JT Rethink Project」になります」と取り組みについて説明。
そのうえでJTが昨年より協賛している理由として「地域創成という社会課題の解決に向けて活動している点が同じ」という点を挙げる。
甲乙つけがたい6作品がノミネート
「Rethink Creator AWARD」では、まず3回のRethink Creative Cotestの受賞作品が紹介されたのち、各賞3作品ずつのノミネート作品を発表。次いでRethink Creator 賞とJT Rethink 賞のグランプリが発表された。
Rethink Creator 賞に輝いたのは、中川千佳さんの「タトゥーのイメージ」。審査員の1人、ハフィントンポスト日本版 編集長 竹下隆一郎氏は「タトゥーが刻まれいる手、タトゥーが刻まれていない手、両方の立場を配慮しつつ、うまくメッセージを投げかけていると感じました」と高く評価する。
JT Rethink 賞を授与したのは、森絵里奈さんの「おもいこみ」。審査員の1人、クリエイターズマッチ 代表取締役 呉京樹氏は「煙突から出ている煙が水蒸気だということに”そうだったんだ!”と単純な驚きと、人の見方というのは固定観念があり、思い込みのまま進んでしまうんだなと改めて気付かされました。Rethinkのテーマにすごく合っていたのも評価のポイントです」とコメントした。
さらに、残りの4作品の中から審査員賞を選出するところ、いずれも甲乙つけがたいという事態になり、4作品すべてに特別賞が贈られることになった。
アイデアの切り口や面白さが一番の審査対象
最後に行われた、「クリエイティブで地方創成が実現できるのか」をテーマとした審査員らのトークセッションにおいて、羽室氏は「セミナーで今年、28地域に行かせていただきました。東京にいて地域創生とおこがましい言葉を言っていますが、逆に自分の方が“このままじゃヤバイな”という危機感のようなものを持ち帰った一年でした」と各地域から生まれるクリエイトのレベルの高さを評価した。
「Rethink Creative Cotest」で審査されるのは、ビジュアルよりもアイデアの切り口や面白さだという。クリエイティブ制作が得意な方だけでなく『アイデアを伝わるカタチにする』ことができれば誰でもコンテストに応募できる。地域の人にしかわからない地域の魅力が、これからさらに多数発信されていくことを期待したい。