A64FXとXeon 2チップの性能比較
次の図の棒グラフは、A64FXとXeon(24コア、2.9GHzクロック)2チップのシステムの電力効率を比較したものである。水色の棒グラフがXeon 2チップで、オレンジの棒グラフが2.2GHzクロックのA64FX 1チップである。アプリケーションは、上から、OpenFOAM、FrontSTR、ABINIT、SALMON、SPECFEM3D、WRF、MPASである。
これらのアプリケーションを実行する場合、Xeonと比べてA64FXのエネルギー効率は、2.3倍から最大では3.7倍になっている。
SC19開催直前に、HPEの子会社であるスパコンの老舗であるCrayからA64FXを使う「CS500」スパコンを発売するという発表が行なわれた。CrayのクラスタスパコンであるCS500は、CPUとしてXeonとAMDのEPYCを使うものがあり、GPUやFPGAアクセラレータを付けるものもある。今回のA64FXを使う製品は、CS500の1つのバリエーションとなると思われる。
SC19で展示されたモジュールなどを見るとFX700と同じ2個のA64FXを搭載したシャシーを使うのではないかと思われる。
日本国内のスパコン市場は小さく、国内だけで採算をとるのは難しく、CrayがA64FXを世界中で売ってくれれば富士通にとって嬉しい結果になる。