実家から遠く離れた土地で共働きというご夫婦は多くいらっしゃると思います。その状況で赤ちゃんを授かったとき、考えることはいくつもあると思いますが、比較的早い時期に決めなければならないことのひとつが、どこでお産をするかということ。そして私たちにもその選択をしなければならないときがやってきました。
妊娠がわかって間もない時期は、まだ子どもを出産し育てるということにピンときていないというのが正直なところ。家族が増える喜びを噛み締めるのも束の間。なんだか想像もつかない世界が刻一刻と迫ってくる不安やプレッシャーがありました。誰かに頼ったり甘えたりという選択肢をあまり持ち合わせていない私は、今にして思えば、その迫り来る現実に立ち向かおうと随分気負っていたと思います。体は毎日変化し、長い時間をかけて心身ともに母親になる準備をしていることを感じます。「それに対して夫はどうなんだろう?」頭で準備しても体や心がついてくるのだろうか。実際つわりや大きなおなかを抱えてあくせくしている私に、代わってやることもできないと戸惑う夫の姿を度々目にしました。