Seagate Technologyは11月26日、PCゲーマー向けの高性能ストレージ製品として、超高速なPCI Express 4.0(PCIe Gen4)に対応するNVMe M.2 SSD「FireCuda 520 SSD」と、4TBのHDDとNVMe M.2拡張スロットを備えるゲーミングドック「FireCuda Gaming Dock」を発表した。

  • SeagateがPCゲーミングデバイスの新製品

Seagate初のGen4対応ゲーミングSSD「FireCuda 520」

FireCuda 520は、従来のPCIe Gen4に比べ最大45%高速なPCIe Gen4インタフェースに対応したM.2 2280規格のSSDだ。容量別に2TB、1TB、500GBの3モデルをラインナップし、製品には5年間の製品保証とユーティリティソフト「SeaTools」が付属する。

  • FireCuda 520 SSD

前モデルのFireCuda 510は主にAmazonを通したオンライン販売を行っていたが、今回のFireCuda 520はリアル店舗でも取り扱う。既に、東京・秋葉原のPCパーツショップでも販売がスタートしている。参考価格は2TBモデルが59,980円、1TBモデルが29,980円、500GBモデルが14,980円。

主な性能は、シーケンシャル読取が最大5,000MB/秒、同書込が最大4,400MB/秒(500GBモデルのみ2,500MB/秒)で、ランダムIOPSの読み書きも最大で700,000IOPSを超える速度を実現している。搭載NANDメモリは3D TLCで、MTBF(平均故障間隔)は1,800,000時間としている。コントローラの詳細は明かされていないが、Phisonのカスタム品を採用しているという。

■FireCuda 520の主な仕様
モデル 2TB 1TB 500GB
インタフェース PCIe Gen4 ×4、NVMe 1.3
シーケンシャル読取 5,000MB/秒 5,000MB/秒 5,000MB/秒
シーケンシャル書込 4,400MB/秒 4,400MB/秒 2,500MB/秒
ランダム読取 750,000 IOPS 760,000 IOPS 430,000 IOPS
ランダム書込 700,000 IOPS 700,000 IOPS 630,000 IOPS
合計書込バイト数 3,600TB 1,800TB 850TB
MTBF 180万時間 180万時間 180万時間
TRIM 対応 対応 対応
S.M.A.R.T. 対応 対応 対応
  • 製品発表に際したデモンストレーションで、ベンチマークテストによるパフォーマンスの実測値も公開された。ちなみにその時のベンチ環境はRyzenとX570をベースとしたストレージ"ガン積み"構成

  • シーケンシャルの5,000MB/秒超えが凄いが、普段使いで効いてくるランダムの性能の高さも注目

NVMe SSD増設もできるゲーミングドック「FireCuda Gaming Dock」

FireCuda Gaming Dockは、様々な周辺機器を1本のThunderbolt 3経由でPCと接続でき、SSDアップグレード用のNVMe M.2拡張スロットを備えた4TB HDD内蔵のストレージハブ。ノートPCがメインのPCゲーマーに適した製品だ。本体内蔵のLEDイルミネーションをユーザーの好みに合わせて設定でき、ゲームプレイ時の気分を盛り上げることにも一役買う。

  • SSD増設に対応する外付けHDD 兼 インタフェースハブの「FireCuda Gaming Dock」

本体にはPC側と接続するためのThunderbolt 3のほか、周辺機器接続用のポートとしてThunderbolt 3、DisplayPort1.4、RJ45イーサネットネット、3.5mmオーディオ入力/マイク、3.5mmオーディオ出力、4系統のUSB3.1 Gen2、および充電用のUSB3.1 Gen2を備える。ほか各種設定やイルミネーション制御ができるSeagate Toolkitソフトウェアが利用できる。

  • LEDイルミネーションはソフトウェアで好みにあわせて制御できる

  • 様々な設定を一元管理できるSeagate Toolkitソフトウェア

3年間の保証が付属し、価格は44,980円。今年の12月後半に発売予定だ。

日本のeスポーツ成長にチャンス

従来主力のエンタープライズ向けの基調を維持しつつも、同社はコンシューマ向け製品のポートフォリオ拡充を進めている最中だ。今回の2つの新製品は、プロゲーマーやクリエイターの厳しい要望にも応えられる高い性能と安定性を目指したという。

  • 日本のeスポーツ市場もようやく目に見える成長軌道に乗ったようだ

ストレージ大手のゲーミングデバイス本格参入ということで、業界の期待は大きいだろう。日本シーゲートの代表取締役社長である新妻太氏は、製品発表に関連して、日本のeスポーツ市場の規模推移が2018年の実績として急激に高まり、2019年以降も毎年20%という高い成長率で推移するだろうという予測を引用し、チャンスの大きな市場になりつつあることを説明している。同社は「ゲームで求められるスピード、互換性、柔軟性を、FireCudaで実現、支援する」と述べている。

  • FireCudaの新製品を発表する日本シーゲートの新妻社長