ニコンが11月22日に販売を開始したAPS-Cミラーレス「Z 50」。小型軽量ながらしっかりとした造り、抜群の写りが評価され、カメラ量販店や専門店では入荷待ちの店舗も見られるなど、売れ行きは好調の様子です。販売開始早々、キャッシュバックキャンペーンを実施していることも売れ行きを後押ししているといえますが、カメラの実力が備わってこその人気なのは間違いありません。魅力がどこにあるか、早速インプレッションしてみました。
Z 50は、ニコン初となるAPS-Cセンサー採用のミラーレスカメラです。兄貴分に当たるフルサイズフォーマットのミラーレスカメラ「Z 6」や「Z 7」に対し、Z 50はセンサーが小さい分、携行しやすく扱いやすい小型軽量ボディになりました。
重さは約450g(メモリーカード、バッテリー含む)という軽さで、キットレンズとして用意されている標準ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」と望遠ズームレンズ「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」と合わせても約990gと、1kgを切る軽さとなっています。これで35mm判換算で24~375mm相当までカバーできてしまうのですからスゴいですね。
ボディは軽量コンパクトですが、ニコンらしくしっかりとした造りになっているのが好印象です。まずは、ホールド感が高く握りやすいグリップ。ボディ並みの重量がある望遠ズームレンズを装着しても、不安定さを感じることはありません。ミラーレスで重要となるEVFの見え具合も満足できました。約236万ドットの有機ELパネルを採用したEVFは、視野率約100%、倍率約1.02倍(50mmレンズ使用時)というスペックで、のぞいた瞬間にクリアで収差が少ない像だと感じました。
3.2型104万ドットの背面液晶はタッチパネル式で、スマートフォンのように指先でさまざまな操作が可能。チルト式なのでハイアングルやローアングルはもちろん、下方向に開けば自分撮りもできます。
撮影時も性能の高さを感じられました。まずはオートフォーカスの速さと正確さです。像面位相差AFとコントラストAFのいいとこ取りのハイブリッドAFは209点のフォーカスポイントを持っており、多彩なAFエリアモードもあってスナップショットやスポーツでも被写体をしっかり捉えてくれます。顔認識と瞳AFも搭載しているので、ポートレート撮影にも強いと感じます。
連写は、AF/AE追従で約5コマ/秒の高速連続撮影が可能で、一部の設定が制約される拡張モードではAF/AE追従で最大約11コマ/秒に高められます。見やすいEVF、握りやすいグリップと相まって、運動会やペットなど動体撮影も楽々こなすミラーレスカメラだといえるでしょう。
写りも好印象です。2088万画素のAPS-C型CMOSセンサーと画像処理エンジンのEXPEED 6がもたらす絵作りはフルサイズのZ 7/Z 6と共通の印象で、APS-Cフォーマットとは思えない伸びやかで美しい印象を受けます。
Z 50は小さくて軽いカメラですが、ビギナーから上級者まで満足して使えるカメラに仕上がっていると感じます。フルオートでカメラ任せで撮るのもいいですし、自分なりにセッティングを追い込んでの撮影にもしっかりと応えてくれるミラーレスカメラだと思いました。