国土交通省九州運輸局は、九州で初という旅客鉄道を使用した貨客混載の取組みを11月27日からスタートすると発表した。佐川急便と松浦鉄道が協働で取り組む。
佐川急便は従来、松浦市内にある平戸営業所から佐世保市の各配達先まで片道10kmを自動車で輸送。午前はトラック1台と軽車両2台、午後はトラック1台と軽車両1台に荷物を積み、営業所から佐世保まで運転し、帰りは空車で戻ってきていたという。
貨客混載事業の開始後は、午後に運転していたトラック1台と軽車両1台を鉄道輸送に転換。平戸営業所から松浦鉄道松浦駅までの約1.2kmは荷台付きの自転車で荷物を運び、松浦駅から潜竜ヶ滝駅までの約31kmを旅客列車の空きスペースで輸送。潜竜ヶ滝駅でトラックに荷物を積み替え、各配達先に配達する。
これにより、佐川急便の貨物車両からのCO2排出量は年間で約212kg削減され、ドライバーの運転時間も1名あたり年間約285時間削減されることになる。人口減少にともない財務基盤強化が急務となっていた松浦鉄道も新たな収入源を確保でき、双方にメリットが得られるとしている。