初タイトル獲得へ向けて、里見香奈女流名人との五番勝負に挑む
11月20日に第46期岡田美術館杯女流名人戦(主催:スポーツ報知新聞社)の女流名人リーグ最終戦が行われ、谷口由紀女流二段が里見香奈女流名人への挑戦権を獲得しました。
女流名人リーグは10人による総当たりの9回戦です。今期は8回戦の時点で、伊藤沙恵女流三段と谷口女流二段が7勝1敗でトップに並びました。挑戦権争いはこの2人に絞られ、それぞれ東京「将棋会館」で行われる一斉最終対局に臨みました。
伊藤女流三段は3期連続のリーグ優勝を目指していましたが、香川愛生女流三段に痛恨の2敗目を喫します。一方の谷口女流二段は藤田綾女流二段に勝利して8勝目を挙げました。この結果、谷口女流二段が女流名人戦五番勝負への初登場を決めました。
谷口女流二段は4回目のタイトル挑戦です。2016年の第24期倉敷藤花戦三番勝負では、第1局で里見香奈倉敷藤花に勝利。初タイトルまであと1勝としましたが、第2局、第3局を落として惜敗しています。昨年の第26期倉敷藤花戦でも里見倉敷藤花に挑みましたが、初タイトルへの壁は厚く、まだ結果は出せていません。
ただし、谷口女流二段が着実に力をつけているのは間違いありません。三間飛車や中飛車を得意として相振り飛車でも強く、今期の成績は20勝5敗(0.800)です。挑戦を決めた後のインタビューでは「(里見女流名人と)また番勝負で戦えるのは本当にありがたいことです。2回タイトル戦で戦って、自分のまだ足りていないところを分からせてくれたのが里見さんでした。この数年で自分がどのくらい成長できたのかを知りたいですし、皆さまにお見せしたいと思います」(中継ブログより)と、抱負を語りました。
里見香奈女流名人は現在10連覇中で、五冠を保持する超強敵ですが、きっと好勝負を繰り広げてくれるでしょう。
女流名人戦五番勝負は、1月19日に神奈川県箱根町「岡田美術館」で開幕します。
谷口女流二段のプロフィール
1993年3月6日生まれ、大阪府出身。
2009年に森信雄七段門下で女流3級としてデビュー。2015年8月に女流二段。
将棋大賞は第43回(2015年度)女流棋士賞・女流最多対局賞、第44回女流最多対局賞。タイトル挑戦は第9期マイナビ女子オープン(2016年)、第24期・第26期倉敷藤花戦の計3回。