東京2020組織委員会は、大会ビジョンである「史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会」を目指し、「東京2020ロボットプロジェクト」を展開している。
その一環として今年7月に発表した「東京2020マスコットロボット」が、東京2020マスコットの小学生投票結果発表会を行った会場である品川区立豊葉の杜学園を訪問した。
同校の児童約580名が東京2020オリンピック・パラリンピックのマスコットであるミライトワとソメイティとともに、トヨタ自動車の技術提供によって開発された東京2020マスコットロボットの機能を体験した。
遠隔操作のデモンストレーションを初披露
冒頭、二宮淳校長は「来年にいよいよオリンピック・パラリンピックが開催されますが、この大会でたくさんの場面でロボットも活躍すると聞いています。今日はこのミライトワとソメイティのロボットを見てどんな機能があるのか、どんなことができるのか、ぜひ皆さん楽しんで、そして、たくさん学んでいただきたいなと思います」と挨拶。
会場に登場したミライトワとソメイティと一緒にマスコットロボットのアンベールが行われると、笑顔で手を振ったり、走ったりする仕草を見せるミライトワとソメイティのロボットが現れ、子どもたちからは拍手と歓声があがった。
ロボットが多彩な動きを披露
子どもたちは多彩な動きができるマスコットロボットのジェスチャーを手がかりに、競技名を当てる「ロボット競技スポーツアクションクイズ」に挑戦。
ミライトワロボットはボールを抱えてパスするラグビーの動きやバレーボールの様子を再現し、ソメイティロボットもパラリンピック競技のブラインドサッカー(5人制サッカー)や車椅子バスケットの動作を再現してみせた。
このマスコットロボットには音声認識や表情認識の技術が搭載されており、人間の呼びかけや笑顔や表情に反応してロボットがリアクションするという。子どもたちの日本語と英語による呼びかけに応えてダンスを披露し、泣き顔を認識したロボットが一緒に涙を滲ませるような表情を浮かべていた。
さらに、東京2020マスコットロボットには会場に来ることができない人をサポートする遠隔操作の機能も備わっている。この機能は離れた2体のロボットを繋ぎ、片方のロボットを使ってもう一方のロボットを自由に操作できるというもの。大会では競技場などに設置したロボットと遠隔地に設置したロボットを繋ぎ、家など遠方からでも実際に会場の臨場感を味わいながら応援などができる体験をサポートするという。
この日はそんなマスコットロボットの遠隔操作を初実演。堀之内真理子副校長がソメイティのロボットを操作すると、ミライトワのロボットが連動して動くというデモンストレーションが実施された。
イベント後、6年生の井口泰智くんは「人の表情や気持ちを読み取って、自分の表情に表しているのがすごかったと思います」と、最も印象的だった点について述べ、同じく6年生の森花廉さんはマスコットロボットへの期待を「来た人が笑顔になって、海外の人たちとスポーツで繋がれるようなそんな大会に盛り上げてほしいと思います」と語った。
ミライトワとソメイティのロボットをはじめ、さまざまなロボットが活躍することが期待される東京2020大会。「東京2020ロボットプロジェクト」では大会関連施設などで選手や観客を歓迎するなど、ロボットを通じて新しい形で大会を楽しめる企画に取り組んでいくという。