声優・アーティスト内田雄馬の1stライブツアー「OVER THE HORIZON」ファイナル公演が11月17日、東京・中野サンプラザにて開催された。
本公演は、内田初の単独公演にして初ツアーという、“初”尽くしのライブツアー。全公演が完売するほどの人気となり、これまで愛知、大阪と2都市を巡り、合計6,000人超を動員したライブツアーのファイナルは中野サンプラザにて行われた。。
初ライブツアーの初最終公演。ライブがスタートすると、1stアルバムの1曲目を飾ったアカペラ曲「Harmony of waves」にのせ、水平線を臨む内田雄馬の姿を捉えたオープニングムービーが流れる。浮かび上がったツアータイトルとオーバーラップしてスクリーンに本人のシルエットが照らし出され、デビューシングル「NEW WORLD」の"夢じゃない"というフレーズが場内に響き渡ると、会場からは割れんばかりの歓声が。
青のブルゾンをまとい、ライブ開幕から歌とダンスで観客を魅了していく。続く「BE MY BABY」ではふたりのダンサーが、「Before Dawn」では更にもうふたりが登場し、5人で息の合ったパフォーマンスを披露していく
改めてライブの開幕を告げた内田は、「1stライブツアー、今日が千秋楽でございます!!」とこの日を迎えられた喜びをにじませる。「今日は皆さんのパワーすべて出し切ってもらって、そして内田雄馬のパワー全部持って帰ってもらって、最高の1日にしたいと思います!準備はいいですかー!!」と投げ掛けた後、披露されたのは、片思いのキュートな心情を歌った「Looook UP!!!」。
クールなR&B「ERROR」では、レーザー演出と相まってドキリとするような大人っぽい世界観を作り上げていく。ここからは、ツアータイトルにちなみ「OVER THE CAMP」と題した映像のコーナー。「キャンプの向こう側」をテーマに、天荒なキャンプを試みる。中でも、車好きで知られる内田のドライブシーンがお披露目されると、驚きと喜びの声が上がった。
映像明け、ミリタリーなストリートファッションで再びステージに現れ、披露したのはTVアニメ『この音とまれ!』のタイアップ楽曲のコーナー。作品に寄り添いつつ自らの思いを曲に乗せて届けられ貴重な機会に、並々ならぬ気合いで臨んだという初のタイアップ。第1クールエンディングテーマ「Speechless」、そして11月27日発売の第2クールエンディングテーマ「Rainbow」の2曲を、作品の世界観を表現するように優しく爽やかに歌い上げる。
そして、「My dancers!」という呼び込みのあと披露されたのは、アッパーなダンスチューン「VIBES」。"アガっていくvibes"という歌詞通りの熱気あふれるパフォーマンスに、観客も声を上げたり踊ったりと精一杯応えていく。そのままダンスコーナーに突入、ダンサーのソロパートに続いて衣装チェンジした内田が登場し、ダンスのみでファンを魅了した。
さらに「Can you keep a secret?」、「Stardust」と、立て続けにダンスナンバーが飛び出す。チャーミングでセクシーな一面をのぞかせたかと思いきや、後者では苦しくもがくような表情を見せるなど、楽曲によって様々な内田雄馬を表現。
「SOS」では、椅子にもたれながら、心に突き刺さるような切ない歌声を響かせる。自分にとって光となる存在への思いを歌ったこの楽曲に重ね、辛い時に助けてくれた音楽は非常に大切な存在だと話した内田。替え歌を褒められたのがきっかけで歌うことが好きになったことや、音楽を通して人との関係性を築いたエピソードも交えながら、「それぞれの思い出とリンクして、自分の楽曲を楽しんでもらえたら」と、自身の音楽を聴いてくれているファンへの思いを語った。
続いて今回のツアーで初披露となった「Kiss Hug」は、タイトル通りのキュートな振り付けが随所に散りばめられた楽曲。初々しい恋愛模様を歌った曲に、会場中が甘い空気に包まれる。そして「君に話したいこと」では、温もりに満ちた幸せなラブバラードを情感たっぷりに歌い上げ、定評のある歌唱力で魅了した。
2回目の映像パートの後、ライブ終盤戦はツアータイトルにも冠された「Horizon」からスタート。白いナポレオンジャケットを羽織り、光をまとったパフォーマンスを披露した後は、ダンサー4名も再度登場。「MAJESTIC」では青い旗を掲げ、そして「JOURNEY」ではミラーボールのまばゆい光に包まれながら、伸びやかなその声を響き渡らせた。「内田雄馬と皆さんの旅がここから始まります!」という言葉に応じるように観客も全力でシンガロング、会場の一体感は最高潮へ達する。
そしてライブはいよいよクライマックス。「楽しい時間を過ごすことができたのは、皆さんの力を僕たちに分けてくれたおかげです」とファンへの感謝を伝える。「皆さんが前に進みたいとき、力がほしいと思った時に僕が後押ししているよ、という気持ちで音楽活動をしています。ぜひ、皆さんの踏み出す一歩のお供に内田雄馬の音楽があってくれたら良いなと思っています」と語り、最後は壮大なロックアンセム「FROM HERE」の大合唱でライブ本編を締めくくった。
未だ興奮冷めやらぬ様子の観客のアンコールに応え、再びステージに内田が登場。爽やかなパーティーチューン「Shower」で会場全体がタオルを振り回す。
アンコールへの感謝を述べた後、幕間の映像を振り返り感想を尋ねると、観客からは「かわいいー!」「かっこいいー!」と声が飛ぶ。しかしどちらもしっくりきていない様子の内田、自分が言われたい形容詞として考えたのは、“イカしてる”。「世界で一番イカした声優、内田雄馬です!」と自称し、なんとも斜め上な発言で会場に大きな笑いを巻き起こした。
そんな内田らしいMCの後、ここで嬉しいビッグサプライズが!2020年2月24日に、神奈川・パシフィコ横浜にて1stライブツアーの追加公演が開催決。追加公演ではなんと、内田がピアノ弾き語りに挑戦する予定だ。そして本ライブのラストを飾ったのは、内田の音楽に対する思いが込められた楽曲「ボクらのカタチ」。"Let’s play the music!!"と会場中が全身で音楽を楽しみ、幸福感溢れるライブは幕を閉じた。
photo:上飯坂一