米Oculusは11月18日 (現地時間)、「Oculus Link」のベータ提供を開始した。スタンドアロン型のVRヘッドマウントディスプレイ (HMD)「Oculus Quest」をPCにケーブル接続して、Riftシリーズ向けのPC-VRソフトをQuestでも遊べるようにする。
現在Oculusは、PCや外部センサーを必要としない一体型の「Oculus Quest」と、PC接続型の「Oculus Rift S」の2つを主力VR HMDとして提供している。VR HMDを装着するだけのQuestでは自由に動き回れるVR体験を楽しめるが、モバイルデバイスのような処理性能によって遊べるコンテンツが限られる。Rift SではPCの処理性能によってハイエンドのVRゲームを楽しめるが、PCとのケーブル接続にユーザーの動きが縛られる。
Oculus Linkは、Questが備えるUSB Type-Cポートを利用してPCとUSB接続することで、スタンドアロン型のQuestをRiftシリーズのように使えるようにする。Oculus Link使用時は、QuestでもRift向けのOculus HomeやDash (VR内のデスクトップ環境)が表示される。QuestとRift Sでは内蔵ディスプレイなどのスペックが異なり、Rift Sと完全に同じVR体験というわけではない。また、遊びたいソフトがOculus Linkに対応するのを待たなければならないが、スタンドアロン型とPC接続型それぞれのVR体験を1台で楽しめるメリットは大きい。
Oculus Linkの動作に必要なPCの要件は、Intel i5-4590以上またはAMD Ryzen 5 1500X以上、8GB以上のRAM、USB 3.0ポート×1。ベータ期間中もGPUの検証が続き、現時点で利用できるのはNVIDIAのGPUの一部に限られる。AMDのGPUを含め、順次サポートを拡大していくという。ケーブルは、Oculus Link用にデザインした「Oculus Linkヘッドセットケーブル」を年内に提供し始める予定だが、Oculus Linkソフトの多くはUSB 3仕様の高品質なケーブルで動作するという。詳細は「Oculus Link Compatibility」のページで確認できる。