2019年11月15日、中国北京においてレノボのプライベートイベント「2019 lenovo Tech World and Innovation Tour」が開催されました。基調講演にはCEOの楊元慶(Yang Yuanqing)が登壇。レノボがこれから目指す5G時代への取り組みについて語りました。その中で、13インチのフレキシブルOLEDディスプレイを採用した、折り曲げPC「ThinkPad X1」も披露しています。
「2019年、商用5Gサービスがスタートしたことで数百億台のデバイスがネットワークに接続され、膨大な量のデータがクラウドとデバイス間で送受信されます。IoT、エッジコンピューティング、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AIといった最先端技術とも相互に作用し、5Gの登場は『あらゆるものの知覚』、『あらゆるもののインターネット』、『すべてのインテリジェンス』が特徴の新しい時代へと社会を導きます」と切り出した楊元慶CEO。
2019年はレノボ設立35周年、そしてインターネットの前身となったARPANETが開発されて50周年でもあります。レノボはこの変革のタイミングに、新しいブランドビジョンとして「Smarter Technology for All」を発表しました。
これからのレノボは「人」とさまざまな生活、仕事のシナリオに焦点を当てて、スマートデバイス(d)、クロスデバイスエンジン(e)、ホームエッジサーバー(e)、アプリやサービスのエコシステム(e)を開発。人指向(P)のスマートエクスペリエンスを構築し、プライバシーとセキュリティを強化することで、より効率的で楽しく、よりよく働き、勉強し、遊び、リラックスできる社会を目指すとのこと。このアプローチを「deeeP」と名付けています。
世界初の折り曲がるPC「ThinkPad X1」
そして披露されたのが、世界初の折り曲がるPC「ThinkPad X1」。13インチの「フレキシブルOLEDディスプレイ」を採用した新しいスタイルのPCです。
楊元慶CEOは、ThinkPad X1を「HDビデオを楽しめる大画面タブレットでもあり、快適な読書ができるブックサイズのデバイスに変わります。スマートフォンの携帯性とラップトップ(ノートPC)の生産性を兼ね備え、多彩な使い方を24時間365日サポートできます」と紹介しました。
この折り曲がるThinkPad X1、タッチ&トライで実際に触れました。コンパクトに2つ折りされた状態からディスプレイを広げると、タブレット端末のように。画面いっぱいにWebサイトを表示したり、電子書籍を本のように表示したりできます。
面白いのは、ディスプレイを折り曲げた状態で画面を2分割できることです。例えば、上部にブラウザを、下部にソフトウェアキーボードを表示します。フレキシブルOLEDディスプレイはアスペクト比が4:3の2K解像度ですが、画面を上下で分割した場合、片方の画面は9.6インチ相当のサイズになります。
自宅デスクやオフィスなどでは、背面カバーにあるスタンドを起こして全面ディスプレイとして立てかける使い方も。ワイヤレスキーボードとマウスを併用することで、大画面をフルに活用できます。そして外出時には、タブレットスタイルとソフトウェアキーボードによるノートPCスタイルを使い分けられるというわけです。
ディスプレイはタッチペンにも対応しています。全体をキャンバス見立ててペンでイラストを描いたり、手書きメモを取ったりと、シーンに応じて柔軟な使い方ができます。
現時点では、細かな仕様や価格は未定。OSには画面分割に対応した新しいWindows 10を搭載する予定です。2020年下半期の発売を目指しているとのことです。