シャープは、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」の小型モデルとなる「KN-HW10E」を11月28日に発売します。価格はオープン、推定市場価格は45,000円前後(税別)です。今度のホットクックは、ごはんとおかずの同時調理機能を備えるなど、もっと便利になりました。
ヘルシオ ホットクックは、自動でかきまぜる機能を備え、予約調理が可能な調理鍋。無水調理ができる点が特徴です。
筆者も愛用しているホットクック、よく作る&家族にも好評なのは、野菜の水分だけで作る無水カレー。朝に材料を入れて、帰宅時間に合わせて予約をしておけば、野菜のうまみたっぷりのカレーができあがります。野菜や豆を蒸して下ごしらえするにも便利で、我が家の調理家電の中では使用頻度が高いアイテム。これは筆者だけではなく、シャープの調査によると、ホットクックユーザーの8割が週2日以上、使っているそうです。
さらに、ファミリー世帯はもちろん、少人数世帯のユーザーも3割いるという結果。
現行のホットクックは鍋が大きいため、1人分の量ではきちんとかきまぜられないなどの理由から、レシピは2人分以上になっています。特に1人暮らしだと、2人分以上で調理すると量が多いため、保存して少しずつ食べるか、一度にたくさん食べることになります。また、ホットクックは本体がけっこう大きく、1人暮らし用のキッチンでは場所を取るのも問題でした。
そこで、1人から2人という少人数の世帯でも使いやすいよう、小容量のホットクックを発売することになったわけです。
小容量ホットクックのKN-HW10Eは、新しく開発した小容量向けのまぜ技ユニットコンパクトモーターを搭載し、設置幅220mmを実現しました。ホットクックの基本的な機能である「無水調理」「まぜ技自動調理」「予約調理」にはしっかり対応しています。
内鍋には水位線入りフッ素塗装を施し、3合までごはんを炊けるようになりました。さらに、付属の蒸しトレイを使うと、2種類のメニューを同時に調理する「上下2段調理」が可能です。
上の段に冷凍ごはんを乗せて、下の段で煮物を作るといったこともできちゃいます。これはうれしい機能ですね。ちなみに、ニオイ移りについては「蒸気が食材をコーティングするため気になりませんが、長時間保温するのはオススメしません」(シャープの担当者)とのことでした。
無線LANにも対応しているため、シャープのAIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」を利用できます。スマホ向けの専用アプリを使って、レシピの検索や追加、調理手順の確認などが行えて、使ってみるとかなり便利。また、ホットクック本体で料理のできあがり時刻を予約した場合でも、アプリからできあがり時刻を変更可能。これなら、調理予約して外出、思ったより帰宅が早くなった(遅くなった)ときに助かります。
均一に味が染み込むホットクック
電気調理鍋というと、ホットクックのような無水調理ができる製品のほか、最近は電気圧力鍋の人気が上昇中。購入を考えて、「ホットクックと電気圧力鍋、どっちがいいの?」と悩む人もいるのではないでしょうか。
シャープの国内スモールアプライアンス事業部 商品企画部の平岡哲哉氏は、「圧力鍋のように時短を目指しているのではなく、ホットクックは無水調理ができることと、じっくりコトコトと煮て美味しく作る、でも手間はかからない――という点が特徴」と、ホットクックの魅力を語ります。
メディア向けの説明会では、シャープの電気圧力鍋とホットクック、それぞれで煮込んだジャガイモの比較が。これを見ると、ホットクックで煮込んだほうがムラなく調味料が染み込んでいるようです。
東洋大学助教の露久保美夏先生によると、「ホットクックは加熱しながらかきまぜるので、調味料が均一に染み込んで、味ムラなく作れます。ゆっくりと温度を上昇させて火加減をコントロールするため、食材の美味しさが引き出されます」とのこと。なるほど、「かきまぜ」と「温度コントロール」が、ムラなく美味しく仕上げるポイントのようです。
小容量ホットクックのおもな仕様は、定格容量が1.0L、本体サイズが幅220mm×奥行305mm×高さ240mm、重さが約3.7kg。最大予約設定時間は15時間、設定温度(発酵・低温調理)は35~90℃、電源コードは約1.4m(マグネットプラグ式)となっています。
1人~2人用となっていますが、3人以上のファミリー世帯でも、朝食の味噌汁や作り置きの副菜など、片手鍋ライクに使えて便利ではないでしょうか。また、キッチンスペースの問題から、現行のホットクックをあきらめていた人にもオススメです。