最年少タイトル挑戦なるか? 最終戦は広瀬章人竜王との直接対決
11月14日に第69期大阪王将杯王将戦(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)挑戦者決定リーグ戦、久保利明九段―藤井聡太七段戦が行われました。
久保九段は「さばきのアーティスト」の異名を持つ振り飛車党で、獲得タイトル7期のトップ棋士です。これまでの対戦成績は久保九段が3勝、藤井七段が1勝。藤井七段にとってはタイトル初挑戦に向けて、越えなければならない大きなハードルでした。
戦型は、久保九段の四間飛車に藤井七段が居飛車で対抗します。中盤、藤井七段が巧みな仕掛けで香得を果たすと、その香を攻防の要所にすえてペースを握りました。終盤戦に入っても、藤井七段は手堅い指し回しで徐々にリードを広げます。久保九段も必至の粘りを見せて長手数になりましたが逆転には至らず、157手で藤井七段が勝利しました。
これで藤井七段のリーグ成績は4勝1敗になり、トップを走っていた広瀬章人竜王に並びました。最終戦は広瀬章人竜王と挑戦権を懸けて、直接対決に挑みます。仮に藤井七段が勝てば来年の1月から始まる七番戦に登場で、17歳5ヵ月でのタイトル初挑戦。これは屋敷伸之九段の持つ17歳10ヵ月の記録を抜いて、史上最年少記録です。
タイトルホルダーは三冠を保持し、今期の勝率が8割超の渡辺明王将(棋王・棋聖)。挑戦者は広瀬竜王か、それとも藤井七段か。王将リーグの最終戦は、11月19日に東京将棋会館で一斉に行われます。