• 中国シャオミの最新スマートフォン「Xiaomi Mi Note 10」(中国国内ではMi CC9 Proの名称で展開)。1億800万画素カメラのほか、超広角、望遠、望遠(ポートレート)、マクロカメラの5カメラを背面に搭載する

中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(Xiaomi、小米科技)が2020年に日本へ進出すると表明したことが話題ですが、これに関してシャオミのマーケティング/バイスゼネラルマネージャーを務めるZhiyuan Zang氏に会う機会があったため、日本市場に関する話を聞いてみました。

日本への進出は「日本のキャリア販売における補助金の変化」と、「5Gの時代を迎え、チャレンジする機会ができた」ことがきっかけとのこと。特に端末購入補助に関しては、「キャリアの端末購入補助が少なくなる(回線に紐付いた端末割引が上限2万円に制限されたことを指すと思われます)ことが、ハイエンド端末の販売に大きな影響をもたらすと想定しています」とコメントがありました。ここを参入の勝機として狙うのであれば、国内に投入される端末はシャオミの低価格ライン「Redmi」シリーズではなく、ハイエンドライン「Mi」シリーズが来る可能性が高そうです。

参入を控え、日本市場を研究中というシャオミ。今日本市場で気になっている端末やメーカーはあるか尋ねたところ、「具体的に気になっているところはない」という回答でした。同社スマートフォンにはMi Fansと呼ばれるコアユーザーがおり、世界に18のコミュニティもあるとのこと。日本市場の情報収集は、Mi Fansからも情報を聞きつつ勉強しているとしました。

国内での販売時期や販路、投入スマホなどは未定。いまは情報収集をしている段階で、具体的な情報は今後決定次第発表していく予定といいます。なおシャオミは、スマートフォンに限らず、活動量計やイヤホン、テレビ、スマート家電に至るまで、グローバルでは幅広い製品展開を行っていますが、日本でのスマホ以外の展開は「計画中」とのことでした。

日本のユーザーは「製品に対して高品質やデザイン、イノベーションを追求するかたが多い」。日本の進出にあたっては、もちろん日本でも「Mi Fans」を増やしていきたいとし、(シャオミの理念である)ハイテクノロジーの楽しさを全力で届けていきたいとしました。

シャオミとは?

シャオミは中国・北京に本社を構えるスマートフォンメーカー。2010年設立の新興メーカーで、特に“低価格×高性能”なコストパフォーマンスを意識した製品づくりをしているといいます。

シャオミは3年前から海外進出(中国国外)を進めていますが、日本市場には参入していませんでした。このため国内での知名度はまだ低いものの、IDCによる2019年のスマートフォン出荷台数調査で世界4位につけるなど、ファーウェイ(同世界2位)やOPPO(同世界5位)と並ぶ大きなメーカーです。シャオミは世界を7リージョンに分けて事業展開しており、今回8番目のリージョンとしてアジア地域を追加。日本はその中でも最も大きいマーケットといいます。

最新のプロダクトとしては、スマートフォンで世界初の1億800万画素カメラを含む5カメラを搭載した「Xiaomi Mi Note 10」を11月5日にグローバル展開(日本仕様はなし)。ズーム性能は光学2倍、光学5倍、ハイブリッドズーム10倍、デジタルズーム50倍を備えます。プロセッサはSnapdragon 730G、メモリは6GB、ストレージは128GBと高性能ながら、欧州で549ユーロ(約6万6,000円、ベースモデルの場合)と、手頃な価格もポイントです。

  • Xiaomi Mi Note 10の実機。ディスプレイは6.47インチ(2,340×1,080ドット)。カラーは緑、白、黒の3色で、背面は鏡面のような加工。写真は前面が見えているものが緑、背面が見えているものが白

  • エッジは曲面3Dガラス。製品デザインにもこだわった製品という。やや厚みを感じる端末だが、バッテリは5,260mAhと大容量を搭載。一般的な指紋認証センサーと比べ88%薄いディスプレイ内指紋認証センサーを搭載することで、そのぶん大容量のバッテリを搭載できたとする

  • Mi Note 10のカメラ機能(シャオミ製品ページより)。上から順に5MP望遠(光学5倍、ハイブリッド10倍、デジタル50倍ズーム)、12MP望遠(光学2倍ズーム、ポートレート用)、108MP超高解像度、20MP超広角、2MPマクロ

  • 上の写真にある通り、カメラユニットは1億800万画素のもの(上から3番目)が、1/1.33の大型センサーを備え最も大きいサイズだが、製品上ではその大きさを感じない

  • 1億800万画素カメラで撮影した写真(シャオミ提供。機材は中国版Mi CC 9 Pro premium editionで、グローバル版Mi Note 10 Proと同じもの)。話を聞く中で数枚を見る場面があったが、人の目元の細かい皺や質感、風景のディテールが鮮明に表現されていた(上記画像は1,200ドットにリサイズ。クリックで拡大画像が表示され、その下に原寸写真を表示するボタンがあります)

シャオミの日本進出は、価格帯や製品ラインナップも含め注目していきたいところ。国内参入の影響については、スマホの業界事情に詳しいライター・佐野正弘氏による考察記事「日本市場進出を明らかにしたシャオミ、最後発でも成功を収められるか」にも詳しいので、気になる方はこちらもおすすめです。