ヤフーを擁するZホールディングスが、LINEの買収を検討していることが分かった。日本経済新聞などが報じた。ヤフーの持ち株会社であるZホールディングスがLINEの株式を取得して経営統合することで、インターネットサービス企業としては圧倒的な国内第1位となる。

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  • ソフトバンクグループ傘下のZホールディングスが擁するヤフーとLINEが経営統合へ?

Zホールディングスはソフトバンクグループのグループ会社で、LINEは韓国NAVERが株式の70%以上を保有している。ソフトバンクとNAVERこの両社が50%ずつ出資した共同出資子会社にZホールディングスが入り、ヤフーとLINEはそれぞれZホールディングスの100%子会社として傘下入りすることが検討されているようだ。

ヤフーはインターネット検索とポータルサイトに加え、ジャパンネット銀行などの金融業、PayPayによる決済事業、Yahoo!ショッピングなどのEC事業など、多方面で事業を展開。LINEもメッセージングサービスの国内最大手として、決済をはじめとした各種事業を展開中だ。みずほ銀行と共同で銀行業への参入も目指していた。

LINE Payによる先行投資で多額の赤字を抱えるLINEだが、顧客基盤は強く、LINEアプリを中心としたサービスが最大の特徴といえるだろう。LINEアプリは、決済、金融、ショッピングなど、各種サービスへも展開できるスーパーアプリだ。

ヤフーとLINEが統合することで、規模としては国内最大手となる巨大なプラットフォーマーが誕生することになる。海外勢に対抗することだけでなく、アジアに基盤を持つLINEを活用することで、海外へのさらなる展開も考えられるはずだ。

それぞれの子会社が手がける事業は継続するとみられるが、PayPayとLINE Pay、ジャパンネット銀行とLINE銀行など、ヤフーとLINEは互いに競合する事業も多い。しかし例えば、ソフトバンクが買収したLINEモバイルのように、PayPayが開拓した加盟店にLINE Payも相乗りするといった相乗効果も考えられる。

ヤフーもLINEも、国内では有数の先端技術を抱えており、AIをはじめとした今後の主力となる技術をそれぞれ開発している。統合によって、こうした開発がさらに強化、進展することも期待できるだろう。

ソフトバンクとLINEの両社は、「本件を含めさまざまな可能性について協議を行っていますが、現時点で決定した事実はありません。」(ソフトバンク広報)、「企業価値向上のための施策の一つとして検討を進めていることは事実ですが、当該報道内容に関して当社として決定している事実はございません。」(LINE広報)とコメント。検討の事実は認めたものの、現時点で決定した事実はないとしている。