サザエさんが、フジテレビ系特番『池上彰×サザエさんスペシャル お茶の間ニッポン史50の解説でございま~す!』(22日19:00~22:52)で、番組MCに初挑戦する。

  • (左から)池上彰氏、サザエさん、20年後のサザエさんを演じる天海祐希=フジテレビ提供

この番組は、昭和、平成、令和と日本の世相を映してきたサザエさんが描いてきた出来事を、ジャーナリストの池上彰氏とサザエさんが徹底解説するというもの。2人はもちろん初共演だ。

収録が行われたのは、磯野家や近所の商店街が忠実に再現されたセット。冒頭、磯野家の玄関前で2人が初対面し、池上氏が「これはこれはサザエさん、初めまして!」とあいさつすると、サザエさんは「あら~、池上さん! 初めまして。サザエでございま~す!」とおなじみのフレーズで返し、池上氏は「うわ~! 本物の“サザエでございま~す!”が聞けて大変うれしいです!」と感激する。

また、「きょうは池上さんに会えると思っておめかしをしてきたんです」というサザエさんに、池上氏は「私もテレビに出始めて47年になりますが、まさかこうしてご一緒する日が来るとは思いもしませんでした」と感慨深げ。 初めてとなるMCにサザエさんは「がんばって大役をつとめさせていただきます!」と意気込んで番組がスタートする。

「小学生の頃から新聞大好き少年だった」という池上氏は、幼い頃から新聞に掲載されていた4コマ漫画『サザエさん』を楽しんでいたそう。アニメ放送初期からの懐かしい貴重な映像を紹介しながら、そこに描かれていた大阪万博や東京オリンピック、海外旅行や埋蔵金、そしてミニスカート姿のサザエさんなど、当時の事件やイベント、流行、ファッションについて50の目からウロコの解説を行う。

さらに番組では、原作となった4コマ漫画を『サザエさん』のアニメスタッフが加工し、カラー化。そこで取り上げたのは、1967年に朝日新聞に掲載された「ベビーブーム」に関する4コマ漫画。当時の貴重な映像を使って時代背景を解説するとともに、全校生徒数3001人で日本一のマンモス校だった大阪府の堺市立上野芝中学校を、サザエさん50周年記念応援サポーターのサンシャイン池崎が取材した。今でも当時と同じ校舎を使っているという中学校の超巨大校舎を取材するとともに、当時の卒業生たちから日本一のマンモス校の思い出を聞く。

そして、アニメや漫画『サザエさん』に登場した数々の昭和のスターたちにも注目。60年2月には“ひふみん”こと将棋の加藤一二三九段が漫画に描かれていた。番組が加藤に話を聞くと「長谷川先生は先見の明があった」とご満悦。当時の加藤の映像が流れると、スタジオのサザエさんも「本当にすてきな人だった」と絶賛する。

そして、あのデヴィ夫人も69年7月の漫画に登場していた。その頃のデヴィ夫人は自身の不倫騒動のまっただ中にいた。当時何があったのか、デヴィ夫人が真相を語る。

そして、今回はサザエさんがスタジオに登場するだけでなく、池上氏もアニメ『サザエさん』の中へ。アニメキャラになった池上氏は、磯野家やカツオのクラスメートたちとも対面し、解説も披露。アニメを見たスタジオのサザエさんは「あのカツオにも分かりやすく教えてくれるなんて、池上さんはさすがです!」と絶賛する。

学生時代の池上氏のリアルエピソードも描かれるほか、池上氏が“女子会”に参加したり、波平たちとお酒を飲みながら社会問題を語ったりと、一夜だけのスペシャルアニメ『サザエさん』特別編にも注目だ。

さらに、数多くの謎につつまれたサザエさん一家について、これまで誰も聞くことができなかった一家の秘密に池上氏が切り込む。「波平の髪の毛の秘密とは?」「貯金はしているの?」「マスオが浮気したら?」など、禁断の質問にサザエさんが答える。

さらに、婿養子ではないマスオが磯野家になぜ同居しているのか。実は当初は別に家を借りていた夫妻だが、サザエさんのある行動がきっかけでその家を出なければならなくなったという。その事情とは…。

スタジオには『サザエさん』の20年後を描いた実写版のスペシャルドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』(24日20:00~21:54)でサザエさんを演じる天海祐希、タラオ役の成田凌、花沢花子役の森矢カンナ、三河屋の三郎役の勝俣州和が集結。サザエさんと“20年後のサザエさんファミリー”たちが初対面する。

収録を終えた池上氏は「50年間というのは随分いろんなことがあったなと思うのですが、磯野家のみなさんもサザエさんも年をとっていないですよね。当たり前ですけど(笑)。アニメを見ていてその時その時の時代が出てくると、それぞれ自分たちも、『ああ、あの時はこんなことがあったよね。あんなことがあったよね』と感情移入ができますよね。むしろサザエさんが全く年をとらないということが、私たちが感情移入できることになっているんだなと思いましたね」と語っている。

(C)長谷川町子美術館/フジテレビ