第45期棋王戦挑戦者決定トーナメント(主催:共同通信社)の佐藤康光九段―丸山忠久九段戦が11月8日に行われ、丸山九段が勝利しました。すでに準決勝進出を決めていた広瀬章人竜王、佐々木大地五段、本田奎四段とあわせて、これでベスト4が出そろいました。
渡辺棋王へ挑戦するのは誰か
本棋戦はベスト4から「2敗失格システム」となっており、表のヤマで敗れた棋士はアルファベット通りに右側のヤマ「敗者復活戦」に回ります。左右それぞれの勝ち上がり者によって「挑戦者決定二番勝負」が行われ、左側からの勝ち上がり者は1勝すれば挑戦権を獲得できるのに対し、右側、敗者復活戦からの勝ち上がり者は2勝が必要となります。
ベスト4進出者の対局組み合わせは、丸山九段―本田四段、広瀬竜王―佐々木五段となりました。本田四段は2018年にプロデビューを果たした注目の若手棋士で、これまでに永瀬拓矢二冠や佐藤天彦九段らの強豪を破ってきました。丸山九段は、名人1期・棋王1期獲得の実力者です。
反対側ブロックの佐々木五段は2018年度に最多勝利賞を受賞し、王位戦では2期連続でリーグ入りを果たしました。本田四段と同じく、これまでに谷川浩司九段や羽生善治九段らのトップ棋士を破ってきており、広瀬竜王との戦績は2勝1敗と勝ち越しています。広瀬竜王は竜王の他に王位1期獲得の実績があり、今月17日には第40回将棋日本シリーズで渡辺明棋王(三冠)との決勝戦が控えています。
勢いに乗る若手と、実績十分の実力者との戦いという構図のベスト4ですが、ここを勝ち抜いて挑戦者になっても難敵が待ち構えています。それは現タイトルホルダーの渡辺棋王です。渡辺棋王は7期連続で棋王を防衛し続けており、今年度勝率は8割超え。棋王の奪取は一筋縄ではいきそうにありません。
ベスト4が出そろった棋王戦はこれから佳境に入ります。1戦たりとも見過ごせません。