ベビーカレンダーは11月7日、「2019年赤ちゃんの名前ランキング」を発表。同調査は2010年から実施していて今年で10回目。2019年に生まれた15万8,370人を対象に調査した。
男の子は「『と』止めネーム」「一文字ネーム」がトレンド
男の子の名前ランキングTOP3は、1位「蓮」、2位「湊」、3位「陽翔」。昨年に続き首位を獲得した「蓮」は圧倒的な人気ぶりで、2位と120人以上も差をつけた。
男の子の名前は、よみが「と」で終わる"「と」止めネーム"がトレンドで、「湊」「陽翔」「大翔」「大和」「結翔」と、TOP10の5割を占める結果となった。なかでも「翔」を止め字とする名前が人気だった。
また、「蓮」「湊」「樹」「律」「蒼」のような"一文字ネーム"もTOP10の5割を占め、人気の高さがうかがえる。2017年は圏外(101位以下)、2018年は21位に急浮上した「律」が、2019年はさらに順位を上げて5位にランクイン。「律」は3月・7月の月間ランキングで1位に輝いた実績があり、今後もランクアップが期待できる注目の名前となった。
女の子は「レトロネーム」が人気!
女の子の名前ランキングTOP3は、1位「陽葵」、2位「凛」、3位「葵」だった。TOP3のうち「葵」を用いた名前が2種類ランクイン。夏の季語でもあり、2019年の初夏には特に人気が高まった。
また、女の子の名前は、よみの響きや用いる漢字によって古風&和風な印象になる"レトロネーム"がトレンド。よみが3音で古風な響きの「陽葵(ひまり)」「葵(あおい)」「紬(つむぎ)」「結月(ゆづき)」や、和風な名前に用いられる止め字「子」を含んだ「莉子(りこ)」がTOP10入りした。
特に4位「紬」は、昨年16位からの急浮上。紬糸で織られた絹織物を意味する「紬」は、やわらかく、かわいらしい響きで近年人気が高まっているという。
11位以下にも、11位「澪(みお)」、16位「杏(あん)」、17位「さくら」、18位「楓(かえで)」、20位「あかり」、22位「琴音(ことね)」、23位「琴葉(ことは)」など、多くのレトロネームが30位以内に集中した。
名前の読み、男の子は「はると」、女の子は「ゆい」が1位に
男の子の名前のよみランキングTOP3は、1位「はると」、2位「そうた」、3位「みなと」という結果だった。「はると」は1月から10月まで、10カ月間連続で月間ランキング1位をキープ。年間ランキングでは2位と850人以上差をつけ、絶対王者の貫禄を見せつけた。
「はると」とよむ名前は、「陽翔」「陽斗」「晴翔」「遥斗」の順に人気で、200種類を超えるバリエーションがあった。さらに、名前のよみでも"「と」止めネーム"が人気で、「はると」「みなと」「ゆうと」「ゆいと」「あおと」とTOP10の5割を占めている。
一方、女の子の名前のよみランキングTOP3は、1位「ゆい」、2位「あかり」、3位「あおい」となった。1~6位までの順位は2018年と同じ結果だった。
昨年はTOP10圏外だった「いちか」と「つむぎ」の人気が高まり、TOP10入りを果たした。2種類とも古風&和風な響きの"レトロネーム"。他にも、「あかり」「あおい」「ひまり」と、古風な響きのよみが多数ランクインした。
また、「イ」の母音で終わる名前のよみが人気で、「ゆい」「あかり」「あおい」「めい」「ひまり」のTOP5に加え10位「つむぎ」も該当。同社は「『イ』の母音で終わる名前は自然と口が横に開くので、名前を呼ぶたびに笑顔になれるといった理由から選ぶ方も多いようだ」と分析する。
男の子はスケールの大きさ、女の子は植物を表す漢字が人気
男の子の名前に使用された漢字ランキングTOP3は、1位「翔」、2位「大」、3位「太」だった。"「と」止めネーム"の人気が影響したのか、止め字によく用いられる「翔」が1位になった。
さらに、男の子の名前ではスケールの大きさを思わせる漢字が人気で、TOP3をはじめ、星や宇宙を連想させる「斗」、太陽を表す「陽」、どこまでも続くさまを意味する「悠」がTOP10にランクインした。
女の子の名前に使用された漢字ランキングTOP3は、1位「愛」、2位「莉」、3位「花」。「愛」は2014年以来、5年ぶりに1位に返り咲いた。
「莉」は、年間ランキングでは初のTOP3入りを達成。名前ランキング6位の「莉子」をはじめ、21位「朱莉(あかり、しゅり)」、24位「莉央(りお)」、30位「愛莉(あいり)」などに含まれていた。
また、昨年に引き続き、自然や植物をイメージさせる"自然派ネーム"に用いられる漢字が人気で、「莉」「花」「菜」「奈」「咲」がTOP10入りしている。
「令」を含む「令和ネーム」は2018年の14倍に増加!
改元の影響を受けてか、今年は新元号にちなんだ"令和ネーム"が急増。例えば「令和」の「令」を含む名前は、2018年の年間ランキングでは男女合わせて20人だったが、2019年は男の子153人、女の子129人、合計282人と、約14倍に増加した。
男の子の名前では、「令(りょう、れい)」「令真(はるま、りょうま)」「令翔(はると、れいと)」「令旺(れお)」など50種類以上、女の子の名前では、「令奈(れいな、れな)」「令華(りょうか、れいか)」「菫令(すみれ)」「令愛(れいな)」など20種類以上のバリエーションがあった。
また、男の子の名前「怜(れい)」は、2018年では88位だったが、2019年は68位に浮上。漢字ランキングでも84位→65位とランクアップしている。同社は「漢字のつくりが『令』であることから人気が高まった」とみている。
名前のよみでも「れい」は61位→38位と上昇しており、男の子では特に「令和」の「令(れい)」に影響されたと感じる名前が多く見られた。
女の子の名前では、漢字のつくりに「令」が含まれる「澪」が17位→11位に上昇。その他、「彩葉(あやは、いろは)」が55位→27位、「詩(うた)」が43位→35位、「詩乃(しの)」が84位→57位とランクアップ。
同社は「これらの名前は、『令和』の典拠である日本最古の和歌集『万葉集』のイメージによって、人気が上昇傾向にあるのかもしれません」とコメントしている。