ゼンハイザージャパンは、周囲の環境に合わせてノイズキャンセリング(NC)の効果を自動調整するワイヤレスヘッドフォン「PXC 550-II Wireless」を11月21日に発売する。価格はオープンで、店頭価格は税別42,000円前後を見込む。
ロングセラーのワイヤレスヘッドホン「PXC 550」(2016年発売)の後継機種で、対応コーデックにAACと、低遅延/高音質なaptX LL(aptX Low Latency)を追加。通話・音声アシスタント用のマイクを搭載し、バッテリーライフも強化した。
9月のIFA2019や、11月2〜3日の「秋のヘッドフォン祭2019」で参考出展しており、国内での発売日と価格が決定した。ビジネスマンをメインターゲットとし、通勤や出張、通話利用に最適としている。
周囲の騒音に合わせてNC最適化、NCオンでも20時間使える
PXC 550-IIは「アダプティブノイズキャンセリング機能」に対応。例えば新幹線や飛行機、地下鉄など大きな騒音の中ではNCを最大(MAX)に、ホテルのロビーなど比較的静かな環境では抑えめ(MINIMUM)にするなど、周囲の騒音レベルに合わせてNCの効き方を自動で調整する。NC用のマイクは、左右ハウジングの外側と内側に搭載している。
周囲の騒音レベルを自動認識してNCのかけ方を最適化するモードに加え、屋外利用時に風が吹いていても風切り音を低減するモードを新搭載した。
Bluetoothのバージョンは従来のVer.4.2から5.0になり、コーデックはSBCとaptXに加えて、新たにAACとaptX LLをサポート。iOS機器では従来よりも高音質で音楽を聴けるようになり、aptX LL対応のスマートフォンなどと組み合わせた場合は動画視聴やゲームで遊ぶ際の音声遅延を抑えられるとする。付属のステレオミニケーブルにより、有線接続でも利用できる。
スマートフォンと連携してハンズフリー通話が行える。ビームフォーミング技術を利用して3つの内蔵マイクでユーザーの声を拾う性能を高め、騒がしい環境でもクリアな通話を実現。SiriやGoogleアシスタント、Amazon Alexaといった音声アシスタントの操作時にも有効としている。
PXC 550-II用のiOS/Androidアプリ「Smart Control」を用意し、NCモード(「アダプティブ」または「アダプティブ 風切音の防止」)や外音取り込みの設定、イコライザーなど各種設定が行える。ヘッドホン本体のファームウェアアップデートにも対応する。イコライザーは「ニュートラル」「クラブ」「ムービー」「スピーチ」のほか、カスタム設定でユーザーの好みの音質に調節することもできる。電源オン/オフやペアリング時など、ステータスを知らせる音声ガイドは英語の他に、日本語など複数の言語が選べる。
右ハウジングにタッチパネルを内蔵し、指先のジェスチャーで音量調整や再生/一時停止、曲送り/曲戻し、通話開始/終了のほか、ヘッドホンをしたまま外部マイクで周囲の音を取り込んで聞ける機能のオン/オフが行える。また、NCの機能切り替えスイッチや、音声アシスタントの起動ボタン、Bluetoothペアリングの物理スイッチを備える。
音楽再生中にヘッドホンを頭から外すと、内蔵センサーが着脱を検知して音楽を一時停止し、装着すると停まったところから再生を再開する「Smart Pause」機能を搭載。ヘッドバンドとイヤーカップをつなぐダブルヒンジシステムにより、イヤーカップを折りたたんでコンパクトに持ち運べる。左右のイヤーカップをひねって折りたたんだ状態から装着できる状態にすると、ヘッドホンの電源が自動でオンになる。
PXC 550と同じく32mm径のダイナミック型ユニットを搭載し、ハウジングは密閉型。再生周波数特性は17Hz~23kHz。音圧レベルは110dB(有線利用時)。内蔵バッテリーで最大20時間の再生が可能(Bluetooth+ノイズキャンセル利用時)。有線でノイズキャンセル利用時は最大30時間利用できる。充電時間は約3時間。急速充電に対応し、10分の充電で約1.5時間利用できる。
重量は約232g(PXC 550は約227g)。同梱の有線接続用のオーディオケーブルの長さは1.4mで、入力はL字型のステレオミニ。セミハードケースや、航空機用プラグアダプター、充電用microUSBケーブルも付属する。