WILLERは新たな都市型交通となる電気バス「IKEBUS(イケバス)」の出発式を11月1日に東京都豊島区の中池袋公園で開催。11月2日から貸切バスとして運行を開始した。11月下旬以降、池袋の主要スポットをつなぐ路線バスとして運行する。

  • 「IKEBUS」外観

「IKEBUS」は、低速電動ビークル「eCOM-10」をベースにした、最高速度19km/h、乗車定員22名の電気バス。バス停・制服含めたトータルデザインは、京都丹後鉄道の観光列車「丹後くろまつ号」や特急列車「丹後の海」などを手がけた水戸岡鋭治氏によるもので、コンセプトは「利用者にとって、使いやすく、分かりやすい、美しくて、楽しい、オンリーワンの移動空間」とした。

排ガスの排出がゼロの電気バスであり、車両後部に電動リフトを装備して車いすでの乗降りも可能とするなど、人にやさしく地球にもやさしい車両に。天井がデジタルサイネージとなり、豊島区の文化や季節に合わせたイベント情報などを映像で発信する。

  • 「IKEBUS」車内

メインターゲットは豊島区に来るインバウンドを含めた来街者で、観光客や周辺に住む高齢者、障害を持つ交通弱者等の利用も想定。単なる移動手段ではなく、街に点在するさまざまな魅力あるスポットをシームレスにつなぐ移動装置としての役割を担い、また行動範囲の拡張と回遊を促すことで、街にさらなる活気とコミュニケーションを生むことが期待されている。

池袋駅東口から「Hareza池袋」「東池袋駅」「サンシャインシティ」「豊島区役所」などを周回するAルートと、池袋駅西口(中央)から「Hareza池袋」「サンシャインシティ」などを周回するBルートを曜日を問わず20分間隔で運行。運賃は大人が1回券200円・3時間券300円・1日券500円・2日券800円、こども・高齢者・障害者が1回券100円・3時間券100円・1日券250円・2日券400円となっている。

  • 出発式の様子

11月1日に行われた出発式では、高野豊島区長よる開会の挨拶の後に、ドーンデザイン研究所代表取締役の水戸岡鋭治氏、WILLER代表取締役の村瀨茂高氏、アートカルチャーまちづくり協議会代表理事の前田三郎氏、豊島区シルバー人材センター会長の米倉義明氏の4名が登壇。式典終了後は、実際の車両を使った試乗会も開催された。