東急電鉄は6日、車両内のセキュリティ向上を目的として、2020年3~7月に同社所属の全車両(こどもの国線を除く)へ、ソフトバンクの4Gデータ通信に対応したLED蛍光灯一体型の防犯カメラ「IoTube(アイ・オー・チューブ)」を順次導入すると発表した。
鉄道車両への4Gデータ通信機能を備えたLED蛍光灯一体型の防犯カメラ導入は、これが鉄道業界初だという。
「IoTube」は4Gのデータ通信によってカメラの映像データを送信し、遠隔で記録映像を確認できるLED蛍光灯一体型の防犯カメラ。東急電鉄の協力の下、MOYAIが特許技術にもとづき開発したもので、ソフトバンクが販売および通信サービスの提供を行う。
東急電鉄とソフトバンクは今年、5月末から6月末まで大井町線の一部車両にて「IoTube」の試験導入を行い、2019年9月から田園都市線の一部車両でも試験導入を行っている。その結果、「IoTube」本体の強度や映像の撮影角度、設置場所におけるデータ通信のための電波強度などを確認できたことから、正式に導入が決定した。
具体的には1車両あたり4台ほどの設置を基本として、2020年7月までに全車両1,257両(2020年7月時点で所属予定)へ導入を進める。
これまで、車内に設置された防犯カメラの記録映像の確認は、カメラから記録媒体を抜き取って事務所などに持ち帰り、専用パソコンで行う必要があった。「IoTube」を活用することで、遠隔地からでもカメラで撮影した映像をほぼリアルタイムに確認することが可能になる。「IoTube」を全車両に導入し、車両内トラブル発生時に迅速に対応できるようなしくみを整える。
東急電鉄とソフトバンクは、「IoTube」の全車両への導入を通して車両内の犯罪防止および利便性の高いサービスを追求し、セキュリティや顧客満足度の向上をめざすとともに、将来的には「IoTube」に多様なセンサーを搭載し、そのデータを活用することで、AI(人工知能)やIoTを融合した次世代型ネットワークカメラとして、不審物の自動検出など新たなサービスや新規事業の創出をめざす。