キヤノンは11月6日、本格的な天体撮影用に設計したフルサイズミラーレス「EOS Ra」を発表した。撮像素子の前面にあるローパスフィルターを天体撮影に向く設計とし、忠実な色で表現できるようにしたほか、ノイズの少ない撮影を可能とした。ライブビュー時の拡大倍率も、EOS Rの最大10倍から最大30倍に改良し、厳密なピント合わせを可能とした。
価格はオープンで、予想実売価格は税別30万円前後。発売は12月上旬の予定。
2012年発売のAPS-C一眼レフ「EOS 60Da」以来となる天体撮影専用モデル。ベースとなるEOS Rからローパスフィルターの特性を変更し、星雲などが放つ光の透過率を約4倍に高めたのがおもな変更点。さらに、常用ISO感度をISO40000に高めつつ低ノイズ化を図ったことで、赤みの強い星雲を精細かつ鮮やかに撮影できるようにした。撮像素子の有効画素数は約3030万画素。
背面液晶や電子ビューファインダーを用いた撮影時、画面の拡大倍率を最大30倍に改良したことで、マニュアルフォーカス時でも厳密なピント合わせをしやすくした。デュアルピクセルCMOS AFを搭載しており、オートフォーカスによるピント合わせも正確にできるという。
サイレントシャッターで無音での撮影に対応しており、周囲に迷惑をかけずに撮影できる。動画は4K/30pの4K画質に対応するほか、4Kタイムラプス動画にも対応する。
EOS Raは天体撮影専用の仕様にしたことから、天体以外の一般的な被写体の撮影には向かないとしている。撮影はできるが、実際よりも赤みの強い画像になったり、部分的な色むらが発生する場合があるという。
本体サイズはW135.8×H98.3×D84.4mm、重さは約660g(メモリーカード、バッテリー含む)。