米Abobeが2020年にリリース予定として発表した、スマートフォン向けのカメラアプリ「Photoshop Camera」。プロカメラマン御用達の写真レタッチソフト「Photoshop」ブランドのカメラアプリということで、早くも注目を集めています。Adobeが開催中のクリエイター向けイベント「Adobe MAX 2019」の会場では、実際にアプリをインストールしたiPhoneやGalaxyを試すことができました。
フィルター機能「レンズ」をリアルタイムで適用
アプリを起動するとシャッターボタンの下に、ずらっとインデックスのようなものが並んでいます。これが「レンズ」と呼ばれるフィルター機能で、選ぶとファインダーに映っている被写体に、そのフィルターがリアルタイムに適用されます。
レンズには「ポートレート」や「フード」のように、被写体にあわせてダイナミックレンジや色味を調整するだけのものもあれば、コミック調やアート調のものもあります。シャッターボタン下のリストをスワイプしてまずジャンルを選び、さらに画面をスワイプして複数種類の「レンズ」が切り替えられるようになっています。
Adobe Senseiで自然に合成、ライティング
フィルターを適用する際には、AdobeのAIプラットフォームである「Adobe Sensei」が被写体を分析して、背景を違和感なく合成したり、ライティングを変えるといったことをしています。
人物の顔などを認識し、ARでリアルタイム合成する機能を持つカメラや、写真アプリはすでにありますが、Photoshop Cameraでは単純に被写体を切り抜いて背景を合成するだけでなく、昼間の風景を夜に変えたり、光の当たり方を変えたり、合成するものの大きさを自由に変えられるなど、非常にパワフル。文字通りPhotoshopで編集を加えたかのような写真が、レンズを切り替えるだけで楽しめるようなイメージです。
Photoshop Cameraはフィルター効果やエフェクトを楽しむカメラ!
レンズはリアルタイムだけでなく、撮影した写真に対して適用することもでき、撮影した写真はスマホ内のアルバムに保存できるほか、SNSに直接送信することもできます。レンズを適用した写真には、適用前の元の写真もデータとして保持されているので、あとからレンズを変更することもできます。
デモ機ににはあらかじめ複数のレンズが入っていましたが、「Lens Library」にはほかにも多くのアーティストとコラボレーションしたレンズが登録されていて、そこから好みのレンズを選んで追加。順番などの並べ替えもできるようになっています。なおレンズ以外のカメラ機能は非常にシンプルで、イン&アウトカメラを切り替えられるほかは、フラッシュのオン、オフ、オートや、画角が切り替えられるくらい。あくまでもレンズによるフィルター効果やエフェクトを楽しむカメラとなっているようです。