コクヨは11月5~8日、コクヨ東京ショールームで「コクヨ2020ワークスタイルフェア」を開催する。開催に先駆けて、会場を見学してきたので紹介したい。
会社のオフィス環境を改善
同イベントのコンセプトは「be Unique(ビーユニーク) アタマ・ココロ・カラダ」。コクヨ 上席執行役員 ファニチャー事業本部長 坂上浩三氏は、次のように話す。
「現在、東京都23区のテナント面積の約1%がコワーキングスペースとして利用され、『いつでも、どこでも働ける』ということが浸透しています。自宅でリラックスする、コワーキングで環境を変えて働く、ところが会社のオフィスは旧態依然として、暗くて働きにくい場所。これでは健康を害する危険もあります」。
こうした職場環境を改善するため、コクヨは今回のコンセプトを用意したと言う。アタマは「脳の作用を利用したパフォーマンス向上」、ココロは「心地よさや楽しさなどの感情の盛り上げ」、カラダは「身体的な活性や付加の低減」を目指しているそうだ。
展示されている商品から、気になったものを幾つかピックアップしよう。
キャンプの雰囲気を職場に導入
2020年1月下旬の発売予定となる「inGREEN」は、アウトドアの雰囲気を職場に持ち込んだもの。オフィスと対極になる野外で、休日を過ごすようなリラックス感をテント、テーブル、チェア、スツールなどのオフィス家具へと落としこんでいる。
似たような商品として、キャンプ道具で有名なスノーピークも職場へアウトドアのエッセンスを持ち込む商品やサービスを提供している。しかし、キャンプ道具は持ち運びのポータブル性を重要視しているが、コクヨはオフィス家具としての堅牢性を重視しているので、気軽に持ち運びできない重量があるなど、明確な差異がある。
これは、どちらが良い、悪いではなく、キャンプにこだわるスノーピークと、オフィス家具に軸足を置くコクヨという、企業としてのスタンスの違いだろう。
スタンディングワークにも対応するデスク
12月初旬より発売予定となるのが、デスク天板の昇降と、傾斜角度を電動調整できるテーブルが「SEQUENCE-TILT(シークエンスチルト)」(税抜き276,000円~)。
上半身が前かがみになりがちなパソコンワークは、首にかかる負担が大きい、しかし天板を傾斜させることで首の前傾確度を垂直に近くし、視線角度も改善するという。天板角度は0(水平)~12度の間で調整可能、高さも68~129センチの範囲で動かせるので、スタンディングワークにも対応している。
管理職が部下と話す際、見下ろす姿勢は憚られるので、腰を曲げて話したり、別のイスを持ってきたりする場面が多いだろうが、スタンディングスタイルだと気軽に相談できる雰囲気を出せるなど、二次的な効果も見込めるそうだ。
飛行機のファーストクラスのような個人ブース
筆者が一番気になったのは、2020年2月初旬より発売予定のソロワークブース「dop(ドップ)」(コンパクトタイプ:税抜き554,000円)だ。これはオフィス内での個人ワークや、リラックスモードでのシンキングタイムをサポートする、ソロワークブースとなる。
なお、種類はコンパクトタイプ(パネル無し)、スタンダードタイプ、プロフェッショナルタイプの3種類が用意されている。
前傾姿勢や後傾姿勢を取れるように、無段階の調整が可能なリクライニング機能を備えており、座面や背もたれが可動したり、ヘッドレストやフットレストが付いたりして、体全体をサポートすることできるという。
これ以外にもリビングライクなオフィスチェアー「FABRE(ファブレ)」や、軽量なマグネシウムを採用した軽量チェアー「KATE(ケイト)」など、様々な製品が発表された。
働き方改革により、多様なワークスタイルが登場している。しかし、オフィス環境は変わっていない企業もまだ多いだろう。働く側として、パフォーマンス向上のために、こうした製品を職場へ導入したいと声を上げるのも、働き方改革の一つではないだろうか。