劇団EXILEの佐藤寛太が31日、都内で行われた主演映画『いのちスケッチ』(11月15日公開)の完成披露試写会に、藤本泉、瀬木直貴監督とともに登場した。

  • 左から瀬木直貴監督、佐藤寛太、藤本泉

同作は福岡県に実在する"延命動物園"の大牟田動物園をモデルにしたオリジナル作。漫画家の夢を諦め故郷の福岡に戻ってきた青年・田中亮太(佐藤)が、地元の延命動物園でのアルバイトで園長の野田(武田鉄矢)や、獣医師の石井彩(藤本)らと働いていくうちに異議を理解し、園の運営を救うためもう1度漫画を描くことを決意する。

「地域の映画は、その地域の課題にどのような処方箋を出していくのかが大事」と語る瀬木監督は、「高齢化が進み、人口減少という課題がある中で、僕らはどう映画を通じて10年後20年後の未来を作っていくか。調べたら、出生率が福岡の他の都市より2倍ある。ファミリー層をつなぎ止めるのは、動物園しかない。それでピンと来たんです」と同作の誕生秘話を披露した。

吹替えなしで絵を描く芝居に挑んだ佐藤は、「動物園が抱えてる問題も調べさせてもらって。動物の骨格やどう筋肉がついてるのかも知らないと立体的な絵をかけないですし、色々学びながらやっていくと、共通点も見つかったりする」と飼育員かつ漫画家志望という役柄に、勉強を生かしたことを明かす。

また武田鉄矢、浅田美代子などの個性豊かなキャストに、佐藤は「かわいらしいキャストがそろってましたよね。バラエティ豊かでした」と笑顔に。武田について「CMをされているカップ麺を持ってきて、めしあがってました。心の中でつっこみました。『それ、食べるんかい』って」と撮影中の一幕を語り、観客からも笑いが起こる。一方で、武田や浅田について「いろんな経験をしてきたからこそ出る深みって、こういうものなのかな。役者として感じるものは今回いっぱいありました」と先輩の演技から様々なものを受け取ったという。

瀬木監督から「出番がない時は、高校生と一緒にいる感じなんですよ。瞬発力、爆発力がある」と称された佐藤だが、最後のあいさつでは「フラットな気持ちで見て欲しい。水彩画のような淡い映画になっているので、今この場であったことを全て忘れていただいて、映画に集中していただければ」とアピールし、藤本も「忘れていいの!?」と驚く。「映画に集中して欲しいです。映画の後、思い出す分にはかまわないので」と斬新な展開で舞台挨拶を締めくくった。