ダンス&ボーカルグループ・三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二が30日、東京・EXシアター六本木で行われた「第32回東京国際映画祭」特別上映作品『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』(11月8日公開)の舞台挨拶に、松永大司監督とともに登壇した。
本作は、EXILE HIRO、SSFF&ASIA代表の別所哲也、作詞家の小竹正人氏の3人によって打ち出された、詩と音楽と映像を一つに融合するシネマファイターズプロジェクトの第3弾。EXILE AKIRA主演×三池崇史監督の『Beautiful』、小林直己主演×行定勲監督の『海風』、今市隆二主演×松永大司監督の『On The Way』、佐野玲於主演×洞内広樹監督の『GHOSTING』、佐藤大樹主演×井上博貴監督の『魔女に焦がれて』の5つの短編作品からなる。
『On The Way』は、NPO活動をしている母の代理でメキシコへやってきた主人公・健太(今市)が、アメリカを目指す隣国からの移民たちのために食事や衣類を提供している移民センターを訪れる物語。そこで健太は、命がけで国境を目指す人々の姿を目の当たりにする。
今回が初演技となった今市は「クランクインする前にレッスンして臨みたかったんですが、監督に相談したら『まったくしないでくれ。人間の今市隆二を撮りたい』と言ってくださって、本当に何もしないままメキシコに入った」と明かし、「その初回で20テイク撮ったんですけど、先ほどインタビューで話したら実は30テイクだったみたいで」と苦笑い。松永監督は、今市が「20回」と言っているのを記事を見て、「訂正したほうがいいのか」と考えていたそうで、「さっきのインタビューで『30回ですよ』って言いました」と話した。
その30テイクを振り返って、今市は「初回の撮影で初めての演技で、もちろんうまくいくとは思ってなかったんですけど、まさか30テイク撮ると思わなかったですし、松永監督が人間の今市隆二を出す作業をしてくださっていて、その中で『地に足つけろ』とかいろいろ言われて、自分の中ではやっているけどなかなか正解につながらない。OKが出ない中で、永遠の時間というか、どうしていいかわからない、でもやらないといけない状況だったので、すごい時間でした」と当時の苦悩を告白。
監督は「テイクを重ねることで今市隆二が役の健太とどんどん同化する時間だと思った。どうしていいかわからないという中でいろんなことが真っ白になったり、ふがいなさや責任を感じていて、それが健太が抱えている苦しみとリンクしていたと思う」と必要な時間だったと言い、「その時間を超えたからこそ、隆二がメキシコで健太の門をくぐった。そこからどんどん良くなった」と語った。