パナソニックは、ななめドラム式洗濯乾燥機の新モデルとなるレギュラータイプ「NA-VX900A」を発表、プレス向けの発表会を開催しました。NA-VX900Aの主な特長は、タオル専用モードの搭載と、おしゃれ着洗いモードで黄ばみ除去ができるようになったこと。発売は11月1日で価格はオープン、推定市場価格(税別)は38万円前後です。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    ななめドラム洗濯乾燥機の新モデル「NA-VX900A」。洗濯容量は11kg、乾燥容量は6kgのレギュラーモデルです

タオルの専門家が洗い方を監修

現在、国内では縦型洗濯機のシェアが大きいものの、ドラム式洗濯乾燥機も年々伸びています。ドラム式が選ばれる一番の理由は、乾燥機能の優秀さ。新モデルのNA-VX900Aは、この乾燥機能にもこだわっています。パナソニックのドラム式洗濯乾燥機は以前から、布を傷めにくく、省エネ性能の高いヒートポンプ乾燥方式を採用していました。さらにNA-VX900Aでは、乾燥性能の差が出やすい「タオル」をフワフワに乾燥させるタオル専用コース(2kgまで)を搭載しました。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    ドラム式の乾燥方式はおもに3種類。なかでもヒートポンプ式は、低温で衣類を乾燥させるので布を傷めにくく、ヒーター乾燥より省エネ性も高く人気です

タオル専用コースは、タオルソムリエでありタオル専門店「IKEUCHI ORGANIC」の代表取締役、阿部哲也氏と共同開発したもの。阿部氏によると、タオルを気持ちよく柔らかな状態に洗濯乾燥させるポイントは3つ。

1つ目は、たっぷりの水で泳がせるように洗うこと。2つ目はタオルが湿った状態で衝撃を与えてパイル(ループ状になった繊維)を立たせること。3つ目は乾燥させすぎないことです。NA-VX900Aのタオル専用コースは、洗濯時には多めの水量で洗濯し、脱水後にドラム内でタオルを叩き付ける「パイル起こし」の工程を設けました。乾燥時はパイルにしっかり風をあてて膨らませ、適切な水分量を残した状態で乾燥を終えます。

会場には、おまかせモードとタオル専用モードで洗ったタオルを手に取って比較できるコーナーがありました。タオル専用モードで洗ったタオルは、ふっくらと柔らかい手触りで、空気を含んで高さがあるのが特徴です。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    タオル専用モードで洗ったタオル(写真左)と、おまかせコースで洗ったタオル(写真右)。おまかせモードのタオルはパイルが束になって寝ている部分がありますが、タオル専用モードはパイルがひとつひとつ独立して、きちんと立っているので手触りもフワフワ。タオル全体の高さも、タオル専用モードで洗ったほうがかなり高いのがわかります

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    「おまかせモード(柔軟剤なし・あり)」「タオル専用モード(柔軟剤なし)」で洗ったタオルに、青い色水を吸収させたところ。タオル専用モードが一番高い位置まで青い色に染まっていました。タオルの洗濯は、柔軟剤を使わないほうが吸水性がよいことがわかります

おしゃれ着洗いも洗浄能力に妥協しない

もう1つの注目ポイントは、洗浄力の進化。とくに皮脂汚れの除去に力を発揮する「約40℃つけおきコース」が、普段着とおしゃれ着用の2つのコースに進化しました。

「約40℃つけおきコース(おしゃれ着)」は、40℃前後のお湯で衣類をつけおきすることで、機械による攪拌(かくはん)を減らして布の傷みを抑えます。皮脂汚れは約37℃から溶け出し、約40℃からは酵素タイプの洗剤が活性化するため、洗浄能力の高さも魅力です。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    同じつけおきコースでも、おしゃれ着コースは約7時間かけて衣類を傷めずにじっくり洗浄。普段着コースはドラム内で多めにかくはんすることで、約3時間で洗浄します

また、「約40℃つけおきコース(おしゃれ着)」は布同士がこすれあわないように約7時間かけて洗濯します。一方で「約40℃つけおきコース(普段着)」は、つけおき洗い中もドラム内を攪拌することで、しっかり洗浄しながらも時間を短縮、全工程を約3時間で終了可能です。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

【動画】常温の洗剤水(写真左)と約40℃の洗剤水(写真右)を泡立てて、白い布の上に落とした赤い油汚れを落とす実験。泡を落とすと、明らかに右の温水泡で洗浄した布のほうが赤い油残りが少ないのがわかります
(音声が流れます。ご注意ください)

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A
  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    「約40℃つけおきコース(おしゃれ着)」で洗浄した衣類の比較。とくに、わきの下や首回りなど、黄色い皮脂汚れが落ちています

気になる黒カビを抑制するモードも

洗濯機のドラム槽裏のカビが気になる人に向けて、新しく「約60℃槽カビクリーン」機能も搭載されました。これは、第一工程で約60℃の温水で槽全体をゆっくりと回転させながら加熱し、次の工程で温水スチームを槽内に充満させつつ槽を高速回転。最後に脱水とフィルター乾燥まで行うというもの。これまでのドラム洗浄モードは全体で6時間と時間がかかるものでしたが、「約60℃槽カビクリーン」は約2時間で槽を掃除できます。

  • パナソニック、ドラム式洗濯乾燥機、NA-VX900A

    「約60℃槽カビクリーン」を使用していないカビ(写真左)と、使用したカビ(写真右)を10日間培養。カビクリーン使用後は、カビが繁殖していません