ダイハツ工業が市販を予定する新型車を「第46回 東京モーターショー2019」で発見したので、説明員に話を聞いてきた。いわゆる「Aセグメント」の小型SUVで、ダイハツらしく、日本で乗るのにピッタリなサイズ感で仕上げてある。ありそうでなかったクルマだと思う。
意外になかった? 小さなSUVをダイハツが開発
このクルマ、名前はまだ公表できないようだが、発売はもうすぐとのこと。現時点で明らかになっている情報をまとめておくと、ボディサイズは全長3,995mm、全幅1,695mm、全高1,620mm、ホイールベース2,525mm。駆動方式はFF(フロントエンジン、フロントドライブ)で、車両重量は980キロとSUVなのに1トンを切っている。パワートレインは1リッターの直列3気筒ターボエンジンで、最高出力は98ps、最大トルクは140Nm。乗車定員は5人だ。価格は非公表だという。
SUVのいいところといえば、最低地上高の高さ(悪路走破性が高い)、視点の高さ(運転席からの視界が良好で運転しやすい)、荷室・室内の広さなどが挙げられる。そういった利点は、ある程度は車体の大きさに由来するものだと思うのだが、Aセグメントの小型SUVであるダイハツの新型車は、そのあたりを押さえられているのだろうか。この質問に対しダイハツの説明員からは、「ヒップポイントは高いですし、最低地上高も乗用車に比べれば広くとってあります」との回答を得られた。
1リッターのエンジンを積むSUVだが、走りはどうか。「FFの場合は車重が1トンを切りますし、ターボエンジンを積んでいますので、動力性能は十分です。過不足のない走りだと思います」というのが前出の説明員の解説だ。例えばバックドアを樹脂製にするなど、軽量化には工夫を重ねたという。
ダイハツの小さなSUVにライバルはいるのか。似たようなクルマとして話題に上がったのはスズキ「クロスビー」だが、「あちらは、どちらかというと『クロスオーバー』タイプのクルマですよね?」とのこと。確かに、クロスビーに比べると、ダイハツの新型車はよりSUVらしい見た目をしている。
新しい小型SUVでダイハツが想定している顧客は、「弊社がメインにするヤングファミリーはもちろん、パーソナルユースも、リタイヤされた方に使っていただくケースも、十分に考えられます」とのこと。流行りのSUVには乗ってみたいが、大きなクルマには抵抗があるという人にしてみれば、このクルマは魅力的に感じるかもしれない。
話を聞いた説明員は新型車の内装デザインを担当した方だった。最後にアピールポイントを聞くと、「コックピットに座っていただくと、(ナビなどを映すドライバー左前方の)モニターがドライバーのほうを向いているなど、ドライバーオリエンテッドな考えで作りました。結構、スポーティーなイメージに仕上げています。このクルマであれば『運搬係』にならないといいますか、運転していても楽しいクルマができたと思っています」とのことだった。