マツダは「第46回 東京モーターショー2019」で同社初の量産電気自動車(EV)「MX-30」を世界初公開した。2020年に欧州で発売する方針で、将来的には日本にも導入する予定。サイズはSUV「CX-30」とほぼ一緒で、フル充電での航続距離は約200キロだという。ドイツでの価格は3万3,990ユーロだ。
マツダのEV「MX-30」について分かったこと
マツダは以前、「デミオ」(現在はMAZDA2に改称)のEVを作ったことがあるが、広く一般に販売する量産EVを開発したのは今回が初めて。MX-30の開発を担当した竹内都美子主査によると、マツダはこのクルマを通じ、ユーザーに「自然体でいられる創造的な時間と空間」を届けたいとしている。
東京モーターショーのマツダブースを取材し、現時点までに判明したMX-30の概要についてまとめておくと、まず、航続距離は欧州の「WLTPモード」で約200キロとのこと。バッテリー容量は35.5kWhだ。ボディサイズはCX-30(全長4,395mm、全高1,540mm、全幅1,795mm)とほぼ同じで、高さはMX-30の方が30mm高いという。2020年後半に欧州で発売する予定で、向こうでは明日にも事前予約の受け付けを始める。ドイツでの価格は3万3,990ユーロ。
ドアはいわゆる「観音開き」だ。マツダは「フリースタイルドア」と呼称する。なぜ観音開きにしたのかマツダ広報に聞いてみると、「お客様の自由な発想で、クルマの多彩な楽しみ方を創造していただくための、より自然体でいられる空間を実現できるから」とのこと。どんな楽しみ方があるかというと、例えば、「景色のきれいな場所に立ち寄り、ドアを開けて、開放感のある車内から外を眺めたり」とのことだった。マツダ車で観音開きのドアといえば、「RX-8」以来の復活となる。
内燃機関(エンジン)の効率向上にこだわってきたマツダが作ったEVだけに、どんな出来なのかが気になるところだが、すでにMX-30に乗ったという同社の丸本明社長は、「エンジン車から乗り換えてもらっても、『マツダらしいね』と思ってもらえるはず」と自信をのぞかせる。例えばテスラのハイパフォーマンスモデルは、アクセルを踏み込むとEVならではの強烈な加速を見せてくれたりするが、「人間中心の設計」や「人馬一体感」を重視するマツダのEVは一体、どんなキャラクターになるのか。何か新しいEVの価値を提案してくれそうで楽しみだ。