Google純正スマートフォンの最新モデル「Pixel 4」が10月24日に発売します。発売に先駆けて実機を借りることができたので、Pixel 4のOh So Orangeカラーと、Pixel 3のJust Blackカラーを持って夜の秋葉原を何枚か撮影してみました。いずれもオート設定で、通常撮影の「カメラ」と低照度撮影向けの「夜景モード」の2枚を、各機種で撮影しています。
Pixelのカメラは、AIと機械学習をベースにした画像処理が特徴。Pixel 3ではシングルカメラを搭載していましたが、Pixel 4では16MPの望遠カメラ+12.2MPメインカメラのデュアルレンズ構成になっています。スペック面での違いは「Pixel 4とPixel 3を仕様比較。どこが変わった?」に詳しいので、ご参考までにどうぞ。
注目の新機能としては、端末に触れなくても手の動きで操作できるSoliセンサーの搭載(2020年春から)や、カメラ撮影時ライブビューでの露出+シャドウ補正などがありますが、暗い場所でも明るく写せる「夜景モード」だけに関していえば、新機能は星空撮影機能が加わったのみ(同機能はアップデートでPixel 3やPixel 3aにも提供される予定です)。とはいえ、プロセッサやメモリの強化、デュアルレンズの採用を果たしたPixel 4の夜景撮影がどう変わったのか、見ていきましょう。
中央通り・めいどりーみん秋葉原本店近く
中央通り、末広町駅からやや南に行ったあたり、めいどりーみん秋葉原本店を背に撮影。どちらもよく撮れていますが、Pixel 4の方がコントラストが穏やかで、コンビニエンスストアの看板の文字が読みやすいです。また、全体を通して、ある程度明るい場所では、Pixel 4の場合通常モードも夜景モードもどちらも明るく撮影され、差があまり感じられません。一方Pixel 3では各モードの差がわかりやすく、通常モードで暗く落ちた部分が、夜景モードでは明るく写る印象です。
中央通り・サンコーレアモノショップ秋葉原総本店近く
サンコーレアモノショップ秋葉原総本店を背に、Carl's Jrなどが入っている秋葉原SILビル付近を撮影。向かって左のKHKビルや左から2つ目の小木曽ビルがわかりやすいですが、Pixel 4では明るく映っているところ、Pixel 3ではやや暗めに映っています。
中央通り・ドン・キホーテ 秋葉原店近く
中央通り、パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店を背に、JR秋葉原駅方面を撮影。Pixel 3ではダイビル(写真中央にある背の高いビル)の影が暗めですが、Pixel 4では影になっているビルの格子部分がはっきり写りました。
中央通り・ビックカメラ AKIBA前
ベルサール秋葉原を背に、ビックカメラ AKIBA方面を撮影。奇しくも壁面広告はPixel 4。Pixel 4の本体カラーはJust Black、Clearly White、Oh So Orangeの3色ですが、広告にはClearly Whiteが使われていました。
万世橋交差点・万世橋から御茶ノ水方面を見る
万世橋から御茶ノ水方面に向かって神田川を撮影。夜の神田川沿いは、実際には橋の模様や水面がほとんど視認できない暗い場所ですが、Pixel 4、Pixel 3ともによく撮れており、Pixel 4の夜景モードに至っては昼間のように明るい印象があります。
万世橋交差点・肉の万世
万世橋から肉の万世を撮影。いずれも夜景モード時は雲の途切れ具合がわかります。
蔵前橋通りの植え込み
もっと暗い場所ではどのくらい撮影できるのか? ということで、蔵前橋通り歩道沿いにある植え込みの根本をパシャリ。オレンジ色の街灯がわずかに差し込む程度で、肉眼では、目を凝らさないと何があるか判別できない暗さでした。通常モードでは厳しい結果でしたが、Pixel 3 / 4の夜景モードでは植物の形や質感がわかる程度には撮影できました(撮影時に車のライトが入り込んだ可能性があり、参考程度にみてもらえればと思います)。
おまけ・料理写真
秋葉原を歩き回ったあとは夕食へ。せっかくなので注文した料理を、Pixel 4と3で数枚撮影してみました。入ったお店の照明はオレンジ色の電球色。オートで撮影した場合、Pixel 3では電球色に対してホワイトバランスがかかり、お皿の色が見た目よりホワイト寄りになるなど、蛍光灯下で撮影したような仕上がりに。Pixel 4では全体的にオレンジがかかり、実際の見た目に近い写真になりました。細部の仕上がりはほとんど同じに見えます
Pixel 4は露出バランスがよく、撮影後の画像処理が高速に
撮り比べてきましたが、夜景モードはPixel 3、Pixel 4ともに暗い場所でも細部まで明るく撮れ、夜のイルミネーションや、博物館・美術館(もちろん写真OKが出ているところ)など暗い場所での撮影に活躍してくれそうです。
全体的にPixel 4のほうが自動露出のバランスが良く、(料理の写真でも分かる通り)かなり改善されているようです。逆光や極端に明るい/暗い場所での撮影を除けば、手動調整する必要がないほど。夜景モード撮影については、Pixel 4の場合通常モード・夜景モードのどちらも明るく撮影されるため、逆に暗さを強調したい場合、新機能の露出・シャドウ調整スライダーが活きてくるでしょう。また、細部を拡大して見ると、大きな差ではないですが、Pixel 4の方がややシャープに撮れている印象がありました。
撮影時にはCPUやメモリなどハードウェアが強化されたメリットをヒシヒシと感じました。CPUはSnapdragon 845からSnapdragon 855に、メモリは4GBから6GBに増加していますが、ピント合わせや画像補正、撮影後に画像処理をする速度がPixel 3より明らかに高速になっています(Pixelの夜景モードでは、複数枚のHDR写真を撮影して1枚の写真にするため、撮影後、写真が表示されるまでワンクッションかかります)。処理の速さも含め、撮りたいときにストレスなく撮れるカメラ機能という感触でした。