NTTドコモが、2019年冬~2020年春に発売するスマートフォン新製品を発表した。発表会場で触れた新機種7モデルのインプレッションを、「ハイエンド」「ミッドレンジ」「キッズケータイ、らくらくホン」の3つに分けて、筆者の主観たっぷりにお届けしよう。
今回はミッドレンジ。端末料金の分離化によって苦戦を強いられているハイエンド端末に代わり、人気を集めているミッドレンジには、Galaxy A20 SC-02M、AQUOS sense3 SH-02Mの2機種が投入される。
税別2万円、コスパ高のGalaxy A20
防水防塵・お財布ケータイ対応ながら約2万円と、戦略的な価格で導入されるのが「Galaxy A20」だ。
ドコモのミッドレンジには、5.6インチのディスプレイを搭載した「Galaxy Feel 2」がすでにラインナップされているが、Feel 2が有機ELパネルを採用し、ワンセグ・フルセグやハイレゾ対応、ドルビーアトモスといったコンテンツを楽しむ機能を重視しているのに対し、A20はディスプレイがTFT液晶になり、ワンセグ・フルセグ非搭載、ハイレゾ非対応、カメラが1,600万画素から800万画素へ、メモリも4GBから3GBになるなど、少しずつダウングレードされている。
SoCも、 Feel 2のExynos 7885から、A20では7884Bへとグレードダウン。型番は似ているが、コアの動作周波数が30%近く落ち、ちゃんと性能差がつくようになっている。もっとも操作しにくいほど遅いわけではなく、手頃な端末なりに、ちゃんと使えるスペックに仕上がっている。
ユニークな機能としては、FMラジオ機能を搭載しており、インターネットに接続していない環境であってもラジオ番組が視聴できる(イヤホンがアンテナ替わりになる)。
昨今の自然災害の大規模化に合わせて、ラジオの存在が見直されているが、まさにこうした需要に応えたかたちになる(奇しくも発表会の翌日には台風19号が上陸して大きな被害をもたらし、ラジオ機能のありがたみを考えさせられることになった)。
性能的に、ゲームなどを楽しむのはちょっと厳しいが、カメラなどの機能に不備があるわけでもなく、カメラとメール、通話ができればいい、という人には、2万円という価格はかなり訴求力が高いだろう。この冬のミドルレンジ市場の鍵を握りそうな一台だ。
IGZO画面に4,000mAh大容量バッテリのAQUOS sense3
水洗いできるほどの防水防塵性能とおサイフケータイ対応、さらに大きい文字とアイコンで見やすい「かんたんモード」の搭載などで人気を集め、SIMフリー端末市場も含めたベストセラーモデルになっている「AQUOS sense」シリーズの最新モデルが「AQUOS sense 3」だ。
5.5インチと手頃なサイズのフルHD+ IGZOディスプレイは前モデルから継承しているが、通信速度が最大350Mbpsに向上してプレミアム4G対応となったほか、SoCがSnapdragon 450から同630へとアップグレード、さらにメモリが3GBから4GBに増量して処理性能がアップした。
さらにバッテリーが2,700mAhから4,000mAhへと、1.5倍近くも大きく増量し、待ち受けで約1週間の駆動が可能になった。また、カメラもアウト側が1,200万画素の2カメラ構成となり、広角カメラが追加されている。
販売価格は3万円強だが、この価格はsense 2から大きく変わっていないため、性能アップ分を考えると、かなりお買い得度が高くなった。ラインナップ全体で見ても、最新モデルでありながら同価格帯よりも頭一つ上回るスペックであり、引き続き高い人気を維持するだろう。