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【この記事のエキスパート】
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター:南部 優子
出版社の編集・執筆、地域NPOの政策企画・広報、危機管理コンサルタントを経て独立。 多彩な分野でファシリテーター兼編集ライターとして活動中。
編集・執筆の経験を生かした計画・マニュアルなどの各種資料作成・製本・出版や、企画会議運営・板書経験を活用したワークショップ・イベントの設計・運営、防災コンサルタント経験による各種調査・研究・組織開発支援など、公共団体や研究機関・企業・NPOとのプロジェクトを数多く実施している。
防災ファシリテーターとして活躍中の南部優子さんへの取材をもとに、防災レインウェアを選ぶポイントとおすすめ商品をご紹介します。防災時に着用するレインウェアは、登山に使うような機能性の高いものをイメージし、備えておくようにしましょう。
防災ファシリテーターが解説!
防災レインウェアの選び方
防災ファシリテーターの南部優子さんに、防災レインウェアを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。
【1】動きやすさ
【2】防水性能はJIS規格の数値を参考にする
【3】透湿性
【4】視認性が高いか
【5】ウェアの耐久性
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】動きやすいセパレートタイプがおすすめ
【エキスパートのコメント】
暴風雨になる可能性を考えると、コートタイプやポンチョタイプではなく、ジャケットとパンツに分かれたセパレートタイプをおすすめします。どの方向から風雨がくるかもわからない状況なので、しっかりと全身を包むタイプにするとよいでしょう。冬場の場合はかんたんな防寒具としても役立ちます。
サイズは衣服のうえから着用するので大きめを選ぶほうが安心ですが、極端に大きいと動きにくくて安全性を損なうため、サイズ表示をよくみて選ぶようにしましょう。
【2】防水性能はJIS規格の数値を参考にして選ぶ
【エキスパートのコメント】
防水性能は、JIS規格の耐水圧の数値を目安にするとよいでしょう。大雨のときで約10,000mm、濡れた場所へひざまずいたりして圧力がかかると11,000mm程度といわれています。
気軽にふだんから使い、災害時には避難所へ移動するときにさっと着用するイメージであれば、10,000mm~15,000mm程度でよいでしょう。
荒天時に外で捜索などの災害対応を行なう可能性があるなら、登山用の目安とされる20,000mm以上が安心です。
【3】災害対応などに参加する人は透湿性も重視しよう
【エキスパートのコメント】
荒天時に捜索活動などを行なう可能性のある人や、夏場の着用には、とくに蒸れへの対策が必要です。一般的にランニングなどの激しい運動では約1,000g/hの発汗量があるといわれています。
透湿度という発汗量を透過させる能力で表すと24,000g/平方メートル(m2)/24h程度になりますが、24時間ずっと激しく運動し続けるわけではありませんので、目安として考えると、夏場に長時間動き回る可能性のある人は、10,000~20,000gあると安心です。
ただし、透湿性能の試験には複数あり、どちらを採用したかで数値が変わります。数値はあくまで目安として考えるとよいでしょう。
どんなレインウェアでも暑いときは蒸れるため、素材だけでなく、空気抜きのスリット(ベンチレーション)などのデザイン上の工夫も重要です。
【4】孤立・遭難時や災害対応を想定するなら高視認性も重要
【エキスパートのコメント】
山や河川が近いなど、浸水で取り残される可能性がある場合や、荒天時の水防活動などを想定する場合は、視界が極端に悪いなかでも確認しやすいウェアにすることも重要です。
高視認性のJIS規格は、布の性能ではなく、交通事故から身を守る安全服のカテゴリになります。
JIS T 8127(高リスクで作業する人用)のほかに、日本交通安全教育普及協会のJATRAS 001(児童向け)、JATRAS 002(自転車通学者向け)、日本保安用品協会のJSAA 2001(一般利用者向け)の規格があります。
商品に明記されている場合は参考にするとよいでしょう。なお、この規格は平常時の通園・通学や散歩、ジョギングなどで着用するものに対する性能評価です。
ふだんから着用する方は、この規格を参考にすると安全性が高まります。
【5】ウェアの耐久性は層の多さや生地の厚みで確認
【エキスパートのコメント】
災害時の屋外は、いろいろな飛来物やガレキのなかを歩き回ることになります。とがったものに引っ掛けることもあるので、強度にも気をつけておきたいところです。
一般的に、防水透湿性素材は、ラミネートフィルムやコーティングなどで層が作られています。
また、生地の厚さは繊維や太さにもより、デニール(D)で表列されます。数字が大きくなるほど太く丈夫になります。3層でデニールの数値が大きめの生地だと、値段は高くなりがちですが、長く使えます。