パナソニックは10月16日、子供用品で人気のコンビと共同開発した電動アシスト自転車の新モデル、「ギュット・クルームR」を発表しました。標準モデル「ギュット・クルームR・DX(BE-ELRE03)」と上位モデル「ギュット・クルームR・EX(BE-ELRD03)」を発売します。いずれも子乗せシートはリアタイプ。発売日は12月4日、税別価格はDXモデルが142,800円、EXモデルが161,800円です。

  • パナソニック、子乗せアシスト自転車「ギュット・クルームR」

    ギュット・クルームの新モデル「ギュット・クルームR・EX」(写真手前)。後方にあるのは、2018年から販売されているギュット・クルームのフロントシートタイプ

暑い日も安心のサンシェードが標準付属に

パナソニックのギュット・クルームシリーズは、子乗せシートにコンビの衝撃吸収素材「エッグショック」を採用していることがポイント。高品質の衝撃吸収素材によって、子供の頭を包み込むように守る構造のため、いざというときの安心感があります。

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    頭まわりのクッションに、衝撃吸収素材のエッグショックを使用。手で握るとギュッと沈み込むような独特のさわり心地です

従来のギュット・クルームシリーズは小さな子供用のフロントシートタイプでしたが、新モデルのギュット・クルームRはリアシートタイプ。このため、フロントタイプよりも大きな子供を乗せられるようになりました。また、子乗せシートにサンシェードが標準搭載されたのも特徴です。

サンシェードを標準搭載している国内電動アシスト自転車は、今回の新モデルが業界初とのこと(パナソニック調べ)。パナソニックの社内テストによると、直射日光下の場合、頭部付近の表面温度はサンシェードがない状態ではなんと約75℃まで上昇。一方、サンシェードがあると最大で約19℃も温度を抑制できたそうです。毎年のように「猛暑」や「酷暑」と叫ばれており、熱中症対策がより重要になってきたなか、子供を乗せる自転車にサンシェードが標準搭載されるのは、なかなか魅力的といえるでしょう。

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    サーモグラフィを利用し、子供の頭部付近の表面温度を計測したところ。直射日光下ではなんと約75℃という高温になりました

子供の乗せ下ろしも大人がまたがるのも簡単に

電動アシスト自転車の本体デザインも改良されています。大きく変わったのはフレームの形。U型のアルミフレームになり、跨ぎやすく乗り降りが簡単になりました。また、一部のケーブルがフレーム内蔵式になったため、見える場所にごちゃつくワイヤーが減り、全体的にすっきりとした見た目です。

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  • パナソニック、子乗せアシスト自転車「ギュット・クルームR」
  • 新モデル(左)のフレームと、従来モデル(右、フロントシートタイプ)のフレームを比較。新モデルはフレームがU字型になり、より跨ぎやすくなりました。また、ケーブルの一部がフレームに内蔵されることで全体的にスッキリとした印象です

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    自転車に乗り降りするとき、足が通るポイントが低くなったことで、足をさばきにくいスカートでも簡単に乗り降りできました

パナソニックならではの便利機能もたくさん

前モデルから好評の機能も健在です。個人的に便利だと感じたのは、上位モデルのEXに搭載されているキーレスロック「ラクイック」機能。キーを持った状態で自転車の電源を入れると、自動的にロックが解除される仕組みです。

キーをいちいちバッグから取り出す必要がないため、両手がふさがりやすい「自転車に子供を乗せるタイミング」であわてる必要がありません。このキーレスロック解除機能のためだけに、この自転車を購入したいというユーザーも多いと思います。

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    キーが自転車の近くにあると、電源を入れるだけでロックが自動解除するラクイック機能。上位モデルのEXと標準モデルのDX、両者の違いはこのラクイック機能搭載の有無と、リアライトがソーラー式かどうかの2点です

コンビとの共同開発ということもあり、シートの安全性や子供の乗せやすさも考えられています。シート前にある「開閉ガード」はフルオープン式なので、右からも左からも子供の乗せ下ろしが簡単です。さらに、ウェルカムベルトと呼ばれる肩ベルトは、根元が大きく立ち上がっていて、子供の腕を通しやすい設計です。

【動画】15kgある子供型人形を使って、リアシートに子供を乗せるデモンストレーション。ベルトをかけてロック後、シート下にあるヒモをひっぱるとベルトが子供の身体にフィットします
(音声が流れます。ご注意ください)

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    子供の肩を支えるベルトは、根元から立ち上がっている立体的な構造。子供を乗せたあとにベルトを探すひと手間が減り、ベルトを装着しやすい形です

このほかにも、シートはヘッドカバーやベルトカバーはすべて洗濯が可能。取り外せないEVAクッション部はさっと拭いてお手入れできるなど、メンテナンスがしやすく清潔に保ちやすい工夫がされています。

もちろん安全性の高さも特徴。たとえば、子供を支えるベルトは、子供の胸部分にチェストクリップを用意して、子供がベルトから抜け出しにくくなっています。子供がつかまる開閉ガードは柔らかい素材で、もし子供がぶつかってもケガをしにくい構造です。また、シート背の角度は112.5°で、これは子供がシートで寝た状態で運転しても、子供が倒れにくい角度だそうです。

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    メインとなるロックの上に、胸を支えるチェストクリップを搭載。子供の腕が抜けてしまうといった事故が起きにくくなっています