Googleの純正スマートフォン「Pixel 4」や、新しいスマートスピーカー「Nest Mini」や「Nest Hub Max」が日本に上陸した。これら新しいGoogle製品について、Googleは10月17日、製品デザインに関する記者説明を開催した。
Googleがハードウェア製品を手掛ける以前、同社でデザインを手掛ける対象はブラウザを代表とする数々のソフトウェア製品だった。Googleのデザインチームがハードウェア製品をデザインする際には、ソフトウェアにおけるデザイン思考をいかに物理的なものに落とし込むかが重要だったという。
検討を重ねた結果、Googleのハードウェア製品に必要なものとして3つのコンセプト「人間味」(We've always been human.)、「楽観」(We've always been optimistic.)、「大胆」(And We've always been daring.)が生まれ、以降、同社のハードウェア製品はこれに沿ったデザインで開発されている。
Googleのハードウェア製品デザイン担当 バイスプレジデントを務めるIvy Ross氏によると、人間味とは、曲線や柔らかさなど、見た目だけでなく、感触として手に収めたときしっくりくることを指す。楽観はポップな色の採用など、使っていて楽しい要素。また、大胆さは、新しい素材などに挑戦する、という意味だという。
Pixel 4は、有機ELディスプレイを搭載し、デュアルカメラを備えたAndroid 10搭載スマートフォンだ。デザインはPixel 3と似ているように見えるが、右上の四角いスペースに収められたデュアルカメラが目を引く。
Pixel 4のデザインは、特にカメラ周りがポイント。カメラの四角いスペースは「見た目でPixel 4とわかるアイコンを目指した」という。「人間味」や「大胆さ」は、カメラの四角いスペースの縁や、本体の四隅がカーブ状になっている部分、側面の黒のアルミ製フレームで表現。楽観はオレンジを取り入れた本体カラーや、電源部分のワンポイントカラーで取り入れた。日本の美意識もヒントになったといい、畳や障子のクリーンでシンプルな要素も、全体のデザインに反映したという。
同時発表されたスマートスピーカー「Nest」シリーズは、Ivy Ross氏とは別のデザインチームが担当。サステナビリティ(持続性。社会や会社を長期的に持続・循環させるというニュアンスで、主に環境保護への取り組みを指す)が、デバイス開発における目下の課題といい、Nestシリーズではサステナビリティへの取り組みのため開発当初からデザイナーが関わったという。
質疑応答では、Pixel 4と同じく、カメラシステムを左上の四角いスペースにまとめたiPhone 11シリーズとのデザイン性の違いを尋ねる質問が挙がった。Ivy Ross氏は、「iPhone 11シリーズとPixel 4のデザインが結果として似通っている」とした上で、Pixel 4のデザインは1年半前から開発を進めており真似たわけではない、と回答。
その上で、「Pixel 4ではレンズではなく、スクエアの四角いスペースをデザインとして強調した。Pixel 4はカメラのウェイトが大きく、加えて多くのセンサーを搭載する必要があり、自然にそれらを1つのスペースに集約する方法が取られた。iPhone 11シリーズもデザインのロジックを詰めた結果として近い状態になったのでは」と語った。