10月15日に東西の将棋会館で、第78期順位戦C級1組5回戦(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)が行われました。藤井聡太七段が、宮本広志五段との対局に勝利し、全勝をキープしました。
佐々木勇気七段、石井健太郎五段も5連勝。サバイバルレースは後半戦に突入
ここまで4連勝は、順位上位から藤井聡太七段、佐々木勇気七段、島朗九段、佐藤和俊六段、石井健太郎五段の5人。先頭を走る藤井聡太七段は、2勝2敗の宮本広志五段と対局しました。
これまでの対戦成績は藤井七段の2勝0敗。藤井七段の居飛車に対して宮本五段は得意の四間飛車で対抗すると、藤井七段は居飛車穴熊に、宮本五段は銀冠へと玉を囲い合います。お互いに堅陣を築いた直後には、藤井七段が閉じていた角道を開いて、戦いが始まりました。
藤井七段は角金交換の駒得を果たしましたが、穴熊の金銀を3枚もはがされて、はた目には大ピンチ。しかし、自陣に持ち駒を投入して受けに回ると、藤井七段の大駒の働きが強く、宮本五段の攻めがうまく続きません。
宮本五段は守備駒を攻めに繰り出す勝負手を繰り出しましたが、その反動は大きく、藤井七段が厳しい反撃を決めて勝利しました。自玉が薄くても、危険度を正確に見極めることができる、藤井七段の強さが光った一局でした。
この日の対局結果により、全勝は藤井七段、佐々木七段、石井五段の3人になりました。36人が参加するC級1組からB級2組に昇級できるのは、わずかに2人。サバイバルレースは後半戦に突入です。