1年程前、僕は人生で初めて胃腸炎になりました。最初はおなかが痛く、そのうち熱と吐き気が出てきてとても苦しかったです。何故かその後、立て続けに3回なったのですが…。その時奥さんに「もしかしてつわりって胃腸炎に似てる感じだった?」と尋ねると、「比べ物にならない。それの10倍しんどかった。休んでてもしんどい。普通の状態がない」と畳み掛けるように返ってきました。
想像がつきません…。
つわりの度合いも人それぞれで、何も食べられないほどひどい人や、つわりがほぼ無い人、空腹になると気持ち悪くなる食べつわりなるものまで。そしてなんと吐きつわりと食べつわりの両方になる人もいるとか!
なんてキツイんでしょう…。
うちの奥さんはとにかく匂いで気持ち悪くなり、僕は料理をしている匂い(特にごま油の匂い)や芳香剤なんかも控えるようにしました。
大好物の納豆もいきなり受け付けなくなりました。味噌煮込みうどんが案外食べられるとなったのですが、時間差で食べ終わりそうな頃に吐き気がやってきたりもしました。色々試したのですが、食べられるもの飲めるものと言えば、具なしの冷やし中華(醤油タレ)、蒟蒻ゼリー、オレンジの炭酸ジュースくらいでした。
ちょうど8月で高校野球を見ながらソファーに横になっていた奥さんは、「いいなぁ、高校球児は…。つわりがないからこんなに動けて…」と洩らしていました。高校球児につわりがあるないは関係ないですが、よっぽど普通の状態が羨ましかったのでしょう。しかもつわりの頃はまだ仕事関係者にも妊娠したことを言っておらず、舞台にも立っていたので特に大変だったと思います。体調が悪く、お金がかかっても舞台にタクシーで行った事もありました。体もだるく、食べたいものも食べられず、気持ちも悪い。さぞ苦しいし、イライラした事だと思います。
つわりは男の僕には一生経験することができないです。想像することしかできないし、それが合っているかもわかりません。なので、経験できない代わりに精一杯気を使いました。しんどくて、イライラして、当たられることもあったと思います。普段もあったりしますが…(笑)
そんな時に言い返すと必ず揉め事になるので、とにかく「ごめん」と謝るようにしました。そもそもそんなしんどい状態で、冷静な話し合いができる訳もないです。話すのさえしんどかったかもしれません。僕が胃腸炎の時も喋りたく無いほど気持ち悪かったのに、それの10倍ですから。
とにかく謝る。男の器量の見せ所です。うちの場合は原因はどうあれ、揉めても最終的に僕が謝るので早い方がいいんです。丸く収まります。つわりは一生続くわけでも無いですからね。食べたいものを買ってきたり、物を取ってあげたり、愚痴を聞いたり、時にはサンドバッグになったり(笑)
女の人は妊娠するとお母さんの自覚が出てくるそうですが、男は自分の体に変化があるわけでは無いので中々そうはいかないです。お母さんに気を遣う。それがお父さんの第一歩なのかもしれません。